昭和時代の音楽プレーヤーと言えばレコード、カセットテープ、そして昭和の終わりかけ頃にはコンパクトディスク(CD)が登場しました。現在では様々なプレーヤーがありますが、昭和時代を知る者としては、これらの音楽プレーヤーはとても感慨深いのです。

 

 

このブログでは以前アナログレコードが令和になって人気を博してきた記事を書きましたアナログレコードの売上がCDを超える日が来る!?が、カセットテープもレコードに負けていません。というよりカセットテープの方が需要は高かったのです。昭和時代のレコード価格は2000~3000円で、今の楽曲ソフトとほぼ変わらない価格でした。そのためお金のない学生にとってはレンタルレコード屋でレコードを借りてテープにダビングしたものです。

 

 

 

カセットテープは、磁気テープメディアの種類で、テープが露出するオープンリールで、カセットに納めた状態で使用するものです。そのため劣化が早く、音質も劣ります。

 

 

音楽を聴く主要デバイスがCDになり、録音媒体がCD-RやMDに取って代わられてから消滅したものと勝手に思い込んでいたのですが、じつはまだまだ需要があります。

 

 

令和の時代になって何でカセットテープが?と驚くというか不思議な思いですが、今音楽プレーヤーとして見直されているカセットテープの魅力を検証してみたいと思います。

 

 

聴く、録る、カセットテープが音楽デバイスの主要格となる

 

 

カセットテープが世に出てきたのが、オランダの家電メーカー、フィリップスが1963年8月30日にコンパクト・カセットの名で発表しました。それまで録音に使われていたのはオープンリール式の磁気テープなのですが、テープデッキにセットする際、記録・再生ヘッドを含むテープの走行経路に沿ってテープを通し、巻き取り側のリールに先端を巻き込むという、非常に手間のかかるものでした。

 

 

それが、その名の通りの手のひらサイズ(100mm×63mm×13mm)のコンパクトなカセットテープが誕生しました。巻き取りリールとセットになっているだけでなく、テープの走行経路の一部も一体となっており、テープを巻き戻すことなく、途中の状態でレコーダーから取り外すことが可能。また、裏表(A/B)両面を裏返して記録に使用することで、テープを無駄なく使えたのです。この手軽さが世界中にまたたく間に浸透し、大きなシェアを獲得することになるのでした。

 

 

それから4年後の1966(昭和41)年、日本のマクセルがC-60(片面30分/両面60分。Cはコンパクト・カセットの略)が700円で発売されます。翌1967(昭和42)年8月には、テープの長さが1.5倍(C-60の90mに対し135m)となるC-90(片面45分/両面90分)カセットが1000円で登場します。

 

国内初のカセットテープ 

ちなみに昭和41年当時の代表的な物価がこちらになります。

大卒初任給(公務員)21.600円 高卒初任給(公務員)16.100円
牛乳:20円 かけそば:50円 ラーメン:70円 喫茶店(コーヒー):80円    銭湯:28円 週刊誌:50円 新聞購読料:580円 映画館:400円

 

今の価値からすれば大変高額ですが、何せ初の録音機能が付いた音楽デバイスであり、開発研究費も考えれば強気の価格ではなく、妥当な価格だと言えます。

 

 

大正時代からの歴史があるアナログレコードに比べて、カセットテープの歴史が浅いのですが、聴くだけではなく、録音機能が備わっていることで、レコードに取って代わる勢いでシェアが拡大することになります。レコードからダビングしてテープに収めればわざわざ高いレコード盤を買う必要もありませんし、カセットテープデッキもレコードプレーヤーと比べて安価でしたから、お金のない学生にとっては重宝されることになります。

 

 

聴く音楽によってカセットテープを使い分ける

 

 

1966年、国産初のカセットテープ「C-60」が発売されましたが、より高音質を求めてテープは進化していきます。カセットテープは4種類あり、それぞれの特徴を解説していきます。

 

 

 

TypeⅠ ノーマルポジション

コンパクトカセットの登場当初から使われている最も基本的なテープです。磁性体に酸化鉄を使用されており、価格も比較的安価となっています。、ノイズがやや気になるところですが、強弱が少ないポップス系の曲であれば、ノーマルテープでも十分な音質で録音が可能です。

 

TypeⅡ  ハイポジション

1970年代初期に登場、当初の磁気テープは二酸化クロムが使われていたこともあり、クロムテープと呼ばれていたこともありました。しかし公害問題で二酸化クロムが使われなくなり、代ってコバルト添加酸化鉄磁性体が使われることになりました。ハイポジは、ノーマルよりもノイズが少なく、広域出力や保磁力が高いです。楽器の音がメインで比較的静かな曲を得意とします。

 

TypeⅢ フェリクロム

1973年に登場、磁気テープは酸化鉄と酸化クロムを2層塗布。プレーヤーのテープポジション切り替えが不要という特徴があります。このテープはノーマルとハイポジ高域は伸びるが低域に弱いハイポジと、逆に中低域は強いが高域が弱いノーマルの両者を併せることで弱点を補完しようという発想から生まれたものです。メタル登場前の高級音楽テープとして位置づけられていましたが、メタル登場によりその存在価値は希薄となり4種類のテープの中では短命に終わってしまいました。

 

TypeⅣ メタル

1978年に登場、磁性体に酸化していない純鉄を使用しているので最高の音質を誇りますが、製造コストが高く高価格です。録音できる最大音量の限界が高いので、大音量の録音ができて力強い音に再生されるのでオーケストラなどの強弱が激しい音源に向きます。音の迫力に優れるという点がメタルテープの音質の特徴といえます。

 

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ということで4種類のテープについて解説していきました。メタルが最高音質テープであることは間違いありませんが、聴く音楽によってはノーマルの方が良かったりすることもあります。高いテープだから良いというのではなくそれぞれの特徴を把握した上でテープを使い分けると良いです。

 

 

音楽プレーヤーとして生き残るカセットテープ

 

 

コンパクトディスク(CD)が普及してからも、カセットテープは録音デバイスとして人気を博し、1989(平成元)年にはピークとなり約5億巻を売上ます。しかしデジタル音源をそのまま保存できるCD-Rや何度も録音できるRWなどが登場します。CR-R/RWの録画機も当初は高額でしたが、どんどん安くなり比較的手に入りやすくなるとカセットテープの存在価値は徐々になくなっていきます。

 

 

現在カセットテープを販売しているのは日本で初めてカセットテープを発売した日本マクセルのみとなりました。現在の売上は年間約1000万巻と、全盛期に比べれば大きく激減しましたが、色んな録音機能デバイスが世に出回っていることを考えれば根強い需要はあるようです。というよりカセットユーザーの思い入れが全盛期よりも高まることとなり、カセット市場は大暴騰と化しているのです。

 

 

これは復活したレコード市場でも言えることですが、単に懐かしさからではなく、アナログ音源の温かみ、音質に広がりを感じることが需要に直結しているようです。その後、CDが出てDAT(デジタル・オーディオ・テープ)、MD(ミニ・ディスク)と出てきましたが、いつの間にかDATやMDは消えてしまいました。いずれもカセットテープよりも音質が優れる次世代音楽デバイスとして世に送り出たものなのです。デジタル音源では出せないアナログ音源がユーザーの心を掴んだのでしょう。

 

 

衰退したかと思っていたカセットテープが再び活気を取り戻してきたことは昭和時代を知る私からすれば驚きもありますが、嬉しい気もします。カセットテープが世に誕生から60年になりますが、これからも愛され続けて貰いたいものです。

 

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投稿者

yuuponshow

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