音楽を聴くソフトとして近年の音楽業界を支えてきたCDですが、最近ではCDを買わずにレンタルやダウンロード配信で済ませるユーザーも多いのだとか。不況の影響もありますが、やはり音楽ソースの多様化が大きいかなとは個人的には思います。それでも好きなアーティストのものが発売されれば購入したいのですが、昔のダブルミリオン連発していた頃とは違い、今はベストテン圏内を見ると、売上が1万枚台とか珍しくありません。それだけ今はCDが売れなくなったのです。
衰退しつつあるCD市場を尻目に、ちょっとびっくりするニュースが最近流れてきました。
見直されるアナログレコード
これ凄いニュース。CDが生まれたときから生きてる自分としては、歴史を一巡してしまった感じ?!CDは廃れるけど、レコードは廃れる気がしない。
— Marusan @歌って踊れる6ヶ国語翻訳者🇯🇵🇺🇸🇪🇸🇮🇹🇫🇷🇵🇹 (@marusan_jp) September 12, 2020
アメリカで34年ぶりにアナログ盤の売上がCDの売上を上回ることに https://t.co/KrllgkjEV6
80年代後半にCDに取って代わられ衰退していたはずのアナログレコードが、アメリカ市場において2020年上半期での売上がCDを上回ったというニュースです。アメリカレコード協会の発表によれば、2020年上半期のアナログ盤の売上は2億2310万ドル(約246億円)で、CDの売上は1億2990万ドル(約138億円)。アナログ盤の売上がCDを上回るのは1986年以来となります。
懐古気運なのかアナログ人気が高まるというこの現象は日本にも波及しており、近いうちに国内でも売上逆転現象が起きるかも知れません。
アナログレコード大人気 福山市の会場賑わうhttps://t.co/2ssct0WyAx
— 俵屋年彦 メタバース歴15年 (@tawarayat) September 13, 2020
CDにはないアナログの優位性、例えばレコードジャケットの大きさなど見栄え的にはアナログの利点だと思います。CDプラスチックとは違った紙ジャケットの迫力は手にするとそれがよく分かります。またジャケットだけを目当てに数々のアナログジャケットを集めているコレクターもいるそうで、それだけアナログジャケットに魅力を抱く人が増えてきたのでしょう。
しかしアナログの売上が逆転した原因は一種の懐古気運の高まりと言ったブームとはちょっと違うのではないかと見ています。音を探求していくことでアナログにたどり着いたという声もよく聞きます。そんなアナログレコードの音響について次で触れていきたいと思います。
CDにはないアナログの音の拡がり
アナログレコードの虜になっている人に良さを訪ねると、このような答えが返ってきます。
アナログは温かみがあり、音質に拡がりを感じさせる。
CDもレコードも両方聴いていた私からしても、温かみがあるという表現は何となくわかります。CDは確かにノイズもなく音がクリアに視聴できるのが強みですが、それが逆に味気なく感じます。対してレコードは針を落とした瞬間のプチプチというノイズ音が良い味を出していていよいよ演奏が始まるのだなとワクワクした気分にさせてくれるのです。
そしてCDは頭出しができますが、アナログはそれができない。だから曲順に聴くことが求められます。A面からB面へのチェンジも然り、昔のアナログ盤全盛の頃などアーティストの曲作りに込められた曲順のストーリー性やA面B面での楽曲における雰囲気の違いがよくあらわれていたものです。
レコードの音質を説明するときに、よく用いられるのが周波数です。CDでは20kHz以上の再生高周波数帯域がスパッとカットされている一方、アナログレコード はなだらかに減衰していくので、音に対する不自然さがないという点もレコードの優位性であり、高周波帯域においてCD より優れた周波数特性を持っているといわれています。CDが20kHz以上の高周波数帯域がカットしている理由は、人間が聞くことが出来る音の周波数が、平均的に20Hz~20,000Hz (20kHz)であるということに基づくものだそうで。レコードにはCDでカットされている音まで記録されているから、聞こえる人にとっては音がいいということのようです。
現在のレコードプレイヤー
昨今のアナログブームの背景もあり、音楽を聴くためのレコードプレーヤーが増えてきました。アンティークな古い機器も味があって良いですが、今の機器はBlueTooth対応のものもあるので、ワイヤレス式のスピーカーやヘッドフォンに繋げることができますし、USB端子も付いているのでケーブルで繋げてパソコンやスマホに取り込んで出先でアナログ音源を楽しむことができます。
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家電量販店でもネットでもアナログプレーヤーの品揃えは充実しています。安価なものから高級オーディオまで幅広く揃えていますから、アナログレコードに興味があれば一度店頭やネットで確認してみてはいかがでしょうか。
単なる懐古気運ではなく、優れた音質を求めていたらアナログに辿り着いた。30年以上前にアナログからCDに取って代わった時代を知っているものからすれば、まさかそのような現象が起こるとは思いませんでした。逆にCDからアナログレコードに取って代わる時代を迎えるかも!売上の落ち込む音楽業界にとっては頼もしい救世主となりそうです。