日本の大学は私立は勿論のこと、国公立もお金がかかります。子供を大学に進学させたくとも4年間にかかる学費がネックになり進学を断念するという声も聞きます。こちらが今の日本の大学進学でかかる費用となります。
国民総中流時代だったひと昔前と比べて、コロナの影響もあり非正規雇用者が増えており正社員も雇用不安定となった今の世の中です。進学したくともお金がネックになり断念するという話もよく聞きます。そんな中で日本の高校生の進学先として注目されているのが台湾の大学留学です。
台湾と言えば新型コロナ・ウィルスの感染封じ込みに最も成功した国として知られており、初動から国独自による情報網を確立させたことでも知られており、諸外国からもその対策が称賛されています。
安全対策がしっかりしている国の元ならば、安心して勉学に励みたくなるでしょうが、何と言っても年学費40万円という格安の学費で、しかも入学金はかからず大学に通えることなのです。
なぜ年40万円で大学に通えることができるのか?台湾の教育システムも併せて魅力ある台湾の大学進学事情について検証してみたいと思います。
国立私立でも学費40万円で済む理由
40万円の謎を探る前にまずはこのNHKが放送した番組の一部を下記のリンクからご覧ください。
この番組で台湾における学費や授業カリキュラムなど詳細をすべて解説しています。
台湾では文科省に相当する教育部で大学全体の学費を決めており、その結果、留学生の場合は国立・私立を問わず、年間授業料が約40万円弱となり、日本の大学の約半額~3分の1に抑えられるのです。
台湾の大学は学生に経済的な負担を減らす支援策も充実しています。そのおかげで留学生は安い費用で学生寮に入寮できますので、経済的な理由で日本や欧米の大学への進学・留学をあきらめざるを得なかった方にもお薦めです。 それに台湾は日本よりも物価が安いため生活費も低く抑えられることも魅力です。
入試は?進学するまでの道筋
入学は諸外国でもある9月入学となるのでその点を注意しながら進学準備を進めていくことになります。台湾では150を超える4年制大学があり、いずれの大学への進学も可能となっています。その多くでは中国語に加え英語による授業が行われています。学費の安さに加えて、中国語と英語という二か国語を学べることはグローバルな観点からして魅力です。
では実際に台湾の大学への進学するためにどのような手順を取るのか?入試試験は?台湾では各大学に「外国人留学生枠」が設けられており、外国人は主に書類審査と場合により面接のみで合否が決まります。
難しい入学試験を経ないで大学に進学できるのは魅力ですね。しかし留学のための書類審査があります。「語学能力証明書」として中国語検定や英語検定試験の証明書の提出が求められ、願書の提出がある3月前にこれらの検定試験を受験しておく必要があります。
試験がないから楽だと思ったでしょうが、大学側もそれなりの語学力ある学生を求めるので当然です。それでも入学に必要な条件はそれほど高くなく、中国語検定TOCFLの基礎レベルや進階レベル(2~3級)ですので、初級から中級程度です。大学や各学科により求められる中国語、英語のレベルは異なりますから自分の志望する大学の条件等を把握しておくことが大事です。
入学後は中国語での大学の講義の受講やプレゼンテーション、レポートなどがもちろん必要となってきますので、それ以上の中国語レベルが必要となります。半年~1年間は中国語と英語の授業に慣れるためにも語学勉強をしっかり学んだ上で留学することです。現地校生と一緒に大学の授業を受けていくため、入学してから苦労しないよう最初に語学留学をするのが一番オススメです。
台湾留学を希望する学生のために力強くバックアップしてくれる高校もあります。群馬県の東京農大二高校は進学は勿論のこと、進学後の勉強に対応できるバックアップ体制を敷いており、台湾から講師を招いて週5時間程度中国語を教えているそうです。日本語は一切使わないというか使えない講師なので生徒は授業についていくのに必死です。その生徒の必死さがやる気となり実績に反映された形となり2020年3月に同校を卒業した卒業生のうち24名が華語講座を受講し、その全員が台湾の大学に進学しています。
東農大二高の中国語講座の風景
このようにバックアップしてくれる高校は大変ありがたいものですが、こうした体制を敷く学校は限られています。しかし日本の台湾留学を希望する学生のためのサポート施設もあります。(社)台湾留学サポートセンターという台湾進学を目指す学生のための養成機関もあるので、こうした機関を利用するのも良いでしょう。。
日本への就職を含む台湾留学生の進路
台湾の大学を無事卒業しました。日本に戻って就職したいという方もいると思います。その場合、日本の大学新卒者と比べて就職のし易さという点ではどうなるのでしょうか?まず台湾の大学卒業できたことで英語と中国語の語学力は日本の大卒者と比べてかなり高いと言えます。身につけた語学力は最大の武器なのです!中国語や英語を活かした仕事に就くことは日本の学生に比べて非常に有利であると言えるでしょう。
台湾大学の留学者は日本に戻る人もいれば台湾にそのまま残って就職する人も多いです。何せ温暖な気候ですし、物価も日本に比べて安いですし、親日国でもあり日本人も結構多く暮らしやすいのでそのまま滞在したくなるものです。何より新型コロナ対策に成功している国ですからね。
自分をもっと売り込むために中国本土や英語圏の国に渡ることも視野に入れている人もたくさんいます。日本に戻るも良し、世界に羽ばたくも良し、入学に比べて卒業の難しい台湾の大学を卒業することで世界が広がると思います。国際的視野の高い人材育成が見込める台湾留学を希望する日本の学生さんはこれからもっと増えてくることになるのではないでしょうか。