前記事でJASRAQの音楽印税について記事を書きました。作詞・作曲家などの楽曲制作者いわゆる著作者にとって著作権の管理委託を請け負うJASRAQは必要不可欠な存在であるということはお分かりいただけたと思います。音楽著作権を運用・管理するプラットフォームが構築されていることでヒット曲が生み出され、楽曲提供者の生活が成り立っているのです。
楽曲著作権印税の恩恵を受けたアーティストは数知れず、その中でも1993(平成5)年The虎舞竜のリードボーカルとして大ヒット曲『ロード』をリリースした高橋ジョージさんについて取り上げていきたいと思います。ロードの印税収入が巷で結構話題になるほど物凄い収入だそうでその印税収入はいったいいくらくらいなのでしょうか?
発売から30年、ロードの足跡
The虎舞竜のロードがリリースされたのは1993(平成5)年1月のことですが、作品が世に出るまでの経緯がWikipediaに掲載されています。大変衝撃的な経緯から生み出されており詳しくはそちらでご覧いただきたいのですが、楽曲ロードについて詳細をご覧ください。
『ロード』 歌:The 虎舞竜
1993(平成5年)1月21日 発売
作詞・作曲 髙橋ジョージ
売上枚数220万枚。
1993年度、最高順位3位(5週連続)。オリコン登場回数(200位以内)35回。年間のシングルセールスで第3位を記録。
ご覧のように売上枚数はダブルミリオン(過去30作しかない)のスーパーヒット曲となりましたが、CMやドラマのタイアップもなかったので発売当初は売上は苦戦しました。しかし有線やラジオでゆっくり広まっていき、発売の年から翌年にかけて200万枚を売り上げた演歌的にヒットしていきました。当時はミリオンセラーの曲が連発しており一度人気に火が付けば売れやすい時代背景もあったのです。
そしてロードと言えば、第二章・三章といった続編がリリースされたことでも知られています。第二章が80万枚、第三章が35万枚となかなかの売上を記録しました。2021年にリリースされた最新作が第15章まで発売されています。ロード発売から30年経過しましたが、ストーリーはまだ途中段階ということでしょうか?今後も続編がリリースされる可能性がありそうです。
権利独り占めで根こそぎ権利収入ガッポリ
ロードの強みは先述で述べたように演歌のように息が長くチャートにランキングしていました。こうした特性の楽曲は有線でのリクエストやカラオケでも強みがあり、CD売上枚数の数字では表れない権利収入が得られることになります。
楽曲著作権は作詞・作曲を手掛けたボーカルの高橋ジョージ氏が握っているのですが、ロードの制作にあたって、作詞・作曲者としての著作権以外に原盤権や音楽出版などの諸権利をすべて自らが保有する形でCDリリースに至ったため、現在でも印税は高橋ジョージの元に入っています。
ロードはいわゆる普通の楽曲とは違って、曲をリリースしようとした当時にレコード会社からことごとくリリースを拒否されており(売れなさそうな曲だと判断されたため)、高橋ジョージ自らお金を出してインディーズレーベルとしてリリースすることになったのです。
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その結果、作詞作曲はもちろんのこと、原盤印税、出版印税、二次使用料、レンタル使用料など楽曲に関わる印税の権利はすべて高橋ジョージのものになりました。通常の形式であれば音楽出版社やレコード会社が得る原盤印税や著作隣接権といった直接アーティストには渡されない印税も『ロード』に関しては直接手に渡っているのです。
上のグラフにあるように、高橋ジョージは楽曲における著作権6%の他に原盤権の12%と著作隣接権の4%が入ってきます。全体の20%超にあたるので、1000円のCDだと200円以上受け取る権利があるのです。
他のアーティストが手にする権利印税とは異なる、権利全般にかかわる権利を取得している、というか事情でそうせざるを得なかったということです。その結果、高橋ジョージは最盛期には22億円もの印税を手にしたのです。
高橋ジョージ、今でも『ロード』の印税で暮らせる? 過去には一晩で6000万円を使う豪遊ぶりも https://t.co/ikRnDbEc1R
— リアルライブ (@reallivenews) April 10, 2022
一晩で6000万円も飲み屋で使うとか羨ましい限りですが、あまりの巨額印税に常人としての金銭感覚がマヒしてしまったようですね。
今でも年間1200万円、幸せだったと思う印税生活
ロード発売から30年経過していますが、高橋ジョージには現在でも年1200万円ものロードの印税が入ってきています。
高橋ジョージが、
— しもじ (@Shimoji2) April 6, 2021
作詞作曲した「ロード」で
印税16億円を稼いだと明かした。
1993年発売の曲は
220万枚を売り、
「皆さんがカラオケで1回歌うと7円入りますし、今も年間1200万円、黙ってても入ってきます」
何でもないようなことが幸せだったと思う曲は、印税を生み出していた。
一晩で6000万円使ったエピソードしているように、ロードの特殊とも言える権利取得によって莫大な楽曲著作権料を手にした高橋ジョージ。メディアでもそのエピソードを目にすることがありましたが、それも今は昔、現在はダウンロード配信などの影響で、昔のように膨大なCDの売り上げは見込めませんし、且つ、印税を含むあらゆる楽曲の権利を取得するという離れ業があってこそです。
自分で作詞・作曲する一流ミュージシャンでも高橋ジョージのような稀有な例はなかなかありません。こうなるためには楽曲に関する権利の知識力と強運があればこそですね。奧さんだった三船美佳と別れて私生活は不運でしたが、一生困らないくらいのお金が入ってくるって幸せだったと思う印税生活ではないでしょうか。
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