著作権って誰しも聞いたことあると思いますが、著作物を創作した人が著作者として与えられる権利のことを言います。著作物を無断でコピーされたり、インターネットで利用されることを防ぐため保護される権利です。

 

 

とりわけ日本の音楽における著作権を管理する組織がJASRAQ(一般社団法人 日本音楽著作権協会)です。楽曲制作者の著作権を守るためになくてはならない組織なのですが、このJASRAQについてここ最近悪い評判をよく耳にします。

 

 

音楽教室は楽曲の演奏しますから、すべての音楽教室から著作権料を頂戴すると凄い金額になると思います。しかしちょっと疑問が、音楽教室って教育の機関なのにそこから金をせしめるって楽曲提供者にとってはお金が入るから良いんでしょうが、楽曲が広く浸透しにくくなり結果的に自分たちの首を絞めることになるのではないでしょうか?と考えます。

 

 

世の中には色んな著作権がありますが、とりわけ音楽著作権は大金が動くと言われています。その著作権を取り仕切るJASRAQという組織と著作権について探っていきたいと思います。

 

 

楽曲における配分の仕組み

 

ここで著作権についてあらためて解説していきます。自分の考えや気持ちを作品として表現したものを「著作物」、著作物を創作した人を「著作者」、著作者に対して法律によって与えられる権利のことを「著作権」と言います。著作者が作成した著作物は、著作者の財産ですのでその財産を守るため私たち使用者が著作権料を支払う義務が課されるのです。

 

 

著作物は色んなジャンルがあり小説、脚本、論文、美術、建築物、写真、映画、プログラムなど多岐にわたって著作権が保障されるのですが、音楽界では著作権の管理を担う機関が冒頭に触れたJASRAQにあたるのです。JASRAQは作詞・作曲家らに代わって音楽著作権料を徴収します。

 

 

ではここで著作権の配分システムを紹介します。とある歌手が1000円のCDシングルを発売したとします。

 

 

ご覧のように著作権は全体の6%にあたるので、1000円のCDだと60円受け取る権利があるのです。で、この6%から作詞家や作曲家の著作者に94%を支払い、残り6%、つまり0.36%分金額にして3.6円がJASRAQの事務手数料として受け取ることになります。

 

 

たかが3.6円ですが、このCDが100万枚売れれば一つの曲だけで360万円ですよ。そして楽曲は年間何百何千も発売されているのですから、その収益は凄まじいことになるのはお分かりいただけますよね。という事で昨年2022年度のJASRAQの収益がこちらです。

 

JASRAQ 徴収額・分配額の内訳

 

 

 

 

徴収額は1290億1000万円(前年度比122億8000万円増)。これまでの過去最高であった2019年度の実績額(1176億9000万円)を上回りました。内訳をみるとサブスク配信などのインタラクティブ配信が前年度の374億5000万円から446億6000万円へと大きく伸長しています。一方で、CDやレコード、BD/DVDなどのいわゆるフィジカルメディアは前年度を下回りました。また、新型コロナウイルス対策としての入場定員の制限などが緩和されたコンサートなどの「演奏」ジャンルの業績回復が徴収額を押し上げる形となりました。

 

 

分配額は1256億4000万円(同96億7000万円増)。こちらもこれまでの過去最高であった2020年度の実績額(1206億3000万円)を上回っています。インタラクティブ配信が好調を維持したほか、演奏を行うイベント数が大幅に増えたことが要因とされています。

 

 

JASRAQの役割

改めてJASRAQ(一般社団法人  日本音楽著作権協会)について説明します。音楽関連の著作権利の管理事業を担っており国内の作詞者、作曲者、音楽出版者などの権利者から著作権の管理委託を受けるとともに、海外の著作権管理団体とお互いのレパートリーを管理し合う契約を結んでいます。

 

 

上の方で説明しましたがJASRAQは作詞・作曲家である著作者から著作権を譲渡してもらう著作権者です。これは代理業務ではなく、法律に基づいて著作権利の業務を遂行するものです。作詞・作曲家がなぜJASRAQに譲渡するのか?イメージすれば分かると思うのですが、著作者は楽曲制作のプロフェッショナルですが、法律を含めて著作権については詳しくありません。煩雑で手続きが面倒であり、普段の創作活動に支障を来すことからJASRAQに頼る、というか頼らざるを得ないのです。

 

 

しかしJASRAQがあることで著作者は音楽活動に専念できるし、許諾の対価も徴収してそれが委託者に支払われることで音楽活動を続けていけるのです。ですから著作者(作詞・作曲家)と著作権者(JASRAQ)双方にとってWINWINの関係が構築されているのは間違いありません。

 

 

ではここでJASRAQは著作権者としてどのような業務をしているのかを説明します。分かりやすく言えば著作楽曲にかかわる集金業務です。テレビやラジオ、インターネットで使われた楽曲の大半はJASRAQに譲渡された作品であり、それらの楽曲の著作権を回収します。音楽著作権利用者は多岐にありまして以下のものがあります。

 

音楽著作権を支払う利用者

 

 

 

レコード会社、放送局、カラオケ業者等が音楽著作権の使用許諾契約を結ぶことで許諾を得て楽曲を使用することになり、その対価としてJASRAQに支払います。その額は年間1,000億円を超えます。

 

 

 

データの種目としては、演奏、録音、出版、特定複製目的、貸与、複合、保証金とあり、グラフを見てみるとここ20年1000億円超の安定した徴収額を得ています。詳細にみていくと、「録音」分野が年々縮小しているのが目立ちます。録音分野は「オーディオディスク」すなわちCD生産の分野です。音源のデジタル化が進み、CDの売り上げが年々減少しているため、オーディオディスクの徴収額は右肩下がりになっています。代わって「複合」部門である音楽や動画のサブスクリプションやストリーミングが次第に台頭していき、音楽配信のサブスクリプションについては、2015年以降毎年10億円以上増加しています。

 

 

年間1000億円という徴収額は業務運営としては潤沢かつ安定した運営ができていると思います。しかしこの巨額の著作権利業務による暴利を尽くした徴収が世間から批判されているのも事実です。

 

 

気を付けよう個人でも音楽著作権利が発生する

 

 

JASRAQが権利を持つ楽曲を使って業務を行うと問答無用で著作権を徴収されるということになります。また私たち個人レベルでも著作権が発生する可能性はありますので注意する必要があります。あらためて個人での音楽著作権で気を付けたいところを検証してみたいと思います。

 

 

著作権は音楽を聴いたり観る分には当然ながら発生しません。YOUTUBEなどでBGMとして動画配信したり、自分の演奏で曲を流すと著作権利が発生します。また人の出入りのあるお店でBGMとして楽曲を流しても同様です。そして最初に触れた音楽教室の事例もありますが、これまでJASRAQが起こした訴訟でこれらの事例はすべて権利が認められています。気に入った楽曲だからと言って気軽に活用すると後で痛い目に遭いますよ。

 

 

音楽の著作物については保護期間が終了するものがあります。そうなると法的な保護が消滅します。そうなると著作物は誰もが自由にコピーしたり演奏したりできるようになります。このような権利の消滅した著作物をパブリックドメインといいます。パブリックドメインの作品は、著作権の作者自身が放棄することでそうなりますが、あるいは著作権は作者の死後70年保護された後、作者死亡後にその権利を誰にも相続しなかった場合です。

 

 

パブリックドメイン楽曲はYOUTUBEなどで動画配信しても基本的に権利請求されることはありません。が、必ずしもその作品が永遠に著作権フリーになるとは限りません。後年に編曲されたり、歌詞がつけられたりして、パブリックドメイン曲だったものが新しい楽曲として、使用料がかかるケースもあります。

 

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また著作権が消滅している楽曲でも著作物の創作者ではないものの、レコード製作者、放送事業者及び有線放送事業者に認められた権利である著作隣接権が生きているもの(音楽CDなど)は自由に使うことはできません。色々と制約が厳しい楽曲ですから、使用する場合は楽曲の著作権利者(JASRAQ)か、著作権の法律家である弁理士に相談すると良いでしょう。

 

 

ということで楽曲著作権について解説していきましたが、普段聴いてる好きな楽曲、いつもテレビやラジオで聴いている楽曲はいずれも著作権利が発生することはお分かりいただけたかと思います。馴染みのある有名な曲だからこそ著作者や著作権者というものが幅を利かせているのです。JASRAQについては賛否というか権利を盾に利用者の範疇を拡大させて広く権利をせしめようとする動きは否定できません。しかしこれから新たな魅力的な楽曲を提供していくにあたって著作権というものが大切な役割を果たしているのは事実です。JASRAQにおいては権利を建設的に楽曲を広く浸透させる本来の役割を担ってもらいたいと思います。

 

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投稿者

yuuponshow

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