2023年の10月から酒税法が改正になりました。端的に言うと『ビール』が値下がりし、『第3のビール』が値上がりしたのですが、この酒税法改正には多くの怒りの声が寄せられています。

 

ビールと安いビールの価格差が縮まるのは分かっていたのですが、発泡酒と第3のビールの価格が同じになったのは衝撃です。何かとんでもない時代になっちゃったなと感じます。第3のビールを求める人は安いから買うのであって発泡酒と同じ値段になったら発泡酒の方に間違いなく流れます。そうなると第3のビールの需要はなくなり商品自体が無くなってしまうのですが、こんなこと許されて良いのでしょうか?

 

 

各ビール会社が技術力を注いで完成させた第3のビールですが、その努力がすべて無駄になってしまいそうです。それにしてもなんでこんな酷い改正をしたのでしょうか?普段第3のビール愛飲家の私としても怒りを込めてこの酒税改正について書き綴っていきます。

 

 

ビール類の種類と税率

 

 

まずはビール類について種類と税率をあたらめて解説していきたいと思います。

 

ご存じのようにビール類は3種類あり、それぞれの特徴は以下の通りです。

 

 

 

ビールの原料は麦芽、ホップ、水、酵母の4つ。その他に果実やスパイスなどの副原料などを発酵させます。ビールの定義は麦芽比率が50%以上あることとされています。発泡酒は比率が50%に満たないもの、第3のビールは麦芽を原料としない、あるいは麦芽に一定の副原料を加えたリキュールで、いずれもビールと名乗ることはできません。発泡酒はともかく第3のビールはビールと呼称されていますが、本来はビールと名乗れないのでビールテイストと呼ぶのが正しいです。

 

 

なぜ高い!?世界から見ても高額な日本のビール酒税

 

 

上の図で示した酒税ですが、実はその先の税率改正も既に決まっています。その最終地点はズバリ!ビールと発泡酒・第3の酒税を均一にすることです。

 

 

 

 

日本の酒税の中でもビールは税負担が最も重く、350mlにかかる酒税は日本は63円(2026年に54円に引下げ)に比べてイギリス39円が最も高くアメリカ、ドイツ、フランスずれも30円台となっています。最も昨今の超円安によりビール価格自体は日本より高めになっていますが、世界を見渡してもビールにかかる酒税率は高水準なのです。

 

 

もともとビールは「舶来の高級酒で、富裕層が料理店で飲むもの」であり「贅沢な嗜好品」という見做され方をしていたため税率が高く設定されていたそうです。やがて時代が移り変わり、ビールは大衆のお酒として認知され消費量は年々増えていき、平成に入ると酒税のうちでビールによる税収が8割を占めるようになりました。高級嗜好品ではなくなったのだからビールの酒税を下げても良かったのに他のお酒と比べてビールの酒税は高いままでした。

 

 

不合理とも言える高い税率に対抗するため、日本のビールメーカーは麦芽率を下げた発泡酒やスプリッツを使った第3のビールを開発することになるのです。

 

日本で最初の発泡酒「サントリーホップス」(1994年発売)

 

そんな発泡酒と第3のビールもこの先3年後にはビールと同じ価格になるのです。そうなると消費者が麦芽量の高いビールに流れることは間違いなく、発泡酒と第3のビールは消滅することになります。私も今殆ど第3のビールばかりでしたが、この度の酒税改正で発泡酒を久々に呑みました。ではビールと同じになったら・・・そちらに流れるでしょうね。最も税率が上がって価格も上がるので今よりビールを呑む頻度は減ると思います。

 

 

発泡酒と第3の運命とビール産業を潰す酒税改正

 

 

高い税率に対抗する形でメーカーが技術力を駆使して開発した発泡酒と第3のビールですが、ビールと同じ価格になれば当然ながらビールに流れるか、チューハイなどの安いお酒に切り変えることになると思います。発売から30年近くになる発泡酒、そして第3もその役割を終えることになるのでしょうか?

 

 

今ビール各会社では酒税改正を見直すための政府への働きかけをおこなっているそうです。当然ですが、苦労してせっかく開発したのにそれが無駄にされる訳ですから抵抗するのは当然です。

スポンサーリンク

 

国の安易な増税は問題があります。タバコもそうですが、取りやすいところから取るという産業を壊しかねない日本独自の発想が、このようなことになっているのであればこんな不幸なことはありません。ビールは全世界で吞まれている大衆に愛されているお酒です。他の国ならば全民衆総力で対抗して抵抗して安易な増税は許しません。日本の場合は他の国にはない発泡酒や第3の開発でメーカーが対抗してきましたが、増税されれば元の木阿弥です。

 

 

もし国がビールに高い税率をかけなければ発泡酒や第3ビールは開発されず世に出回ることはなかったでしょう。 発泡酒や第3ビールにかけたコストはより安く美味しいビール開発に回せて、世界でも人気のあるブランドビールを販売していたかも知れません。国に振り回されたメーカー苦肉の策が日本のビール産業を後退させてしまった感は否めません。最後愚痴っぽくなりましたが発泡酒・第3が店頭から消えたら国の責任はとてつもなく大きいものです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。よろしければ↓クリックお願いしますm(_ _)m


雑学・豆知識ランキング

投稿者

yuuponshow

こんにちは、このサイト編集者のyuuponshowと申します。私たちが生まれてから死ぬまで決して欠かすことのできない「お金」。人間が生きる上でとても大切なものですからお金に執着する人って凄く多いと思います。このブログはお金を稼がせるといった怪しい情報商材などの勧誘ではなく、あらゆる角度からお金について探求するものです。難しい話でならないよう分かりやすく、たまにマニアックな話題も混ぜながらみんなの大好きなお金を語っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です