先日このようなニュースが流れてきましたのでご紹介します。
ロシアの〝偽マクドナルド〟が客離れ ロシア版KFCも同じ道たどるか=英紙|東スポWEB https://t.co/BB7F5qDdQ4
— 東スポ政治・社会 (@tospo_seiji) December 5, 2022
今年6月、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、それまでロシア国内で事業を展開していたファースト・フードのマクドナルドが撤退を表明しました。その後、ロシア企業がロシアのマクドナルド事業や店舗を引き継ぐ形でオープンしたのが「フクースナ・イ・トーチカ」です。記事にあるようにケンタッキーも同様にロシアの会社に引継ぎされているようですね。
ハンバーガーやポテト、ドリンクといったメニューも内装もそのままで看板だけを付け替えたロシア版マクドナルドですが、本家アメリカのレシピは引き継げず、味を真似ることはできなかったようです。しかも品質が酷く味も不味く評価は最悪で、客離れがおきているそうです。引継ぎ当初はマクドナルドが使っていた原材料や設備をそのまま使っていたので、味は変わらなかったようですが、見よう見まねのパクリ商品なので次第に味が落ちることになります。
ちなみにこのロシア版マクドナルドの値段ですが、日本よりはやや安い値段で提供されているようです。ロシアのは丸パクリ製品なので参考にはなりませんが、物価は他国に比べると安いというのがお分かりいただけると思います、
日本国内のマクドナルドに目を向けてみると、先述したロシアのウクライナ侵攻の影響により原材料高騰となり今年値上げされてしまいました。かつてデフレ戦略のために大幅値下をしたこともあるマクドナルドも値上げは時代の流れに沿ったものです。ということで日本に上陸してから50年、現在までの価格推移を中心に日本のマクドナルドの歴史を振り返っていきたいと思います。
マクドナルドの誕生から日本上陸まで
マクドナルドの創業は1940(昭和15)年で、創業当時からハンバーガーやフライドポテトといったメニューは販売されていたようです、初期のマクドナルドのイメージキャラクターがこちらのスピーディーです。
マクドナルドのキャラクターと言えばドナルドのイメージですから、このスピーディーは新鮮ですが、違和感ありまくりです(笑)。パンにハンバーグを挟む手軽なファーストフードはアメリカで大人気となり、国民食とまで言われるほど定着することになります。そしてマクドナルドが日本に上陸したのが1971(昭和46)年7月20日のことです。
1971(昭和46)年7月20日 オープン当時のマクドナルド銀座三越1号店
日本上陸当時のハンバーガーの値段は80円、チーズバーガーが100円です。今から50年も前のことなので、物価からして妥当なところでしょうね。
「半額キャンペーン」で悲劇を生むことに
それでは、ここでマクドナルドの主力商品であるハンバーガーの日本での価格推移をご覧ください。
本家アメリカや諸外国はゆるやかに価格が上昇していくのに対して日本の場合は1985(昭和60)年がピークでした。
ちなみに1985年はビッグマックセットが800円だったそうな😂😂 pic.twitter.com/vROZ5t6FYy
— JPJ 💉×5 (@JPJ18614061) November 2, 2022
日本のマクドナルドの商品が一番高かったのはバブル景気の頃ですが、バブル崩壊により景気が悪化、デフレに陥り売上が落ち込み、マクドナルドの製品も段階的に下がっていきます。デフレ時代を迎えたマクドナルド社長の藤田田が「デフレ下では値段を下げて需要を創出するしかない」と大幅値下げと半額キャンペーンを展開します。そして2000(平成12)年にはハンバーガーの値段はそれまでの136円が半額キャンペーンにより日本上陸時の価格水準を下回る68円で提供されることになります。最安値には2002年の59円(税込み62円)バーガーが登場しました。
この価格破壊バーガーの登場により、ハンバーガーのライバル社や他のファーストフード店も軒並み値下げし、値下げ競争が激化します。この59円バーガーは爆発的人気を呼びましたが、あまりに売れすぎて原材料不足に陥り、実利も薄いことから経営が悪化することになります。さすがにこの価格は維持できないと59円キャンペーンを終了したのですが、するとたちまち客離れが起きてしまう事態となりました。
コンビニで買うパンが100円くらいで、それよりも半額で提供していたのですから考えてみれば値下げしすぎだったのかも知れません。キャンペーンが終わっても80円という価格なので全然安いのですが、59円が根付いたことで消費者が値上げの感覚ことで客離れを起こす悲劇となりました。マクドナルドのデフレ販売戦略はつまづいてしまうことになりました。
物価高時代に突入したマクドナルドの今後
現在のマクドナルド・ハンバーガーはバブル期の最高値の頃に戻ってきていますが、それでもまだ150円、最高値の230円よりはまだ安いです。しかしアメリカを見るとハンバーガー約306円($1=140円計算)と日本の2倍以上になっていて、高インフレでハンバーガーに限らずあらゆる商品がどんどん値上がりしていて、日本もそれに追随するように値上げされることが危惧されます。
200円、そして300円とハンバーガーも値上げしていくのでしょうか?賃金が上がっていけば良いですが、日本は賃金が上がりませんからね。これ以上の値上げは賃金が上がらない日本では許容できないのではないでしょうか。
かつての59円時代が懐かしく感じますが、それにより経営戦略を見誤り客離れを起こしてしまったマクドナルド。日本上陸から50年経ち、無くてはならないファーストフードとして定着してます。みんな大好き私も大好きなマクドナルド、できれば庶民に気軽に買える値段設定でこれからもお願いしたいものです。
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