朝食ではごはん派よりパン派の人が結構多いと思われます。かくゆう私もパン派で、食パン一枚と小分けのヨーグルトとカップのインスタントコーヒーというのが朝食の基本的メニューとなっているのですが、食パンにつけるペーストにはチーズやらバターやジャムがあります。小さい頃から食パンにバターを塗って食べる・・のつもりなのですが、実はずっとバターだと思って使っていたものがマーガリンでしたから(笑)
バターとマーガリンって味も似たようなもなので小さい頃はその違いが良く分からなかったのですが、振り返ればマーガリンはよくペーストにして食べていたけどバターをペーストにしたことは殆どありませんでした。値段を比較しても高いバターと安いマーガリン、気が付けば安いマーガリンをずっとペーストにしていました。一方のバターは身近なようで高級なイメージが定着していますが、そんなバターについて興味深く掘り下げて解析してみたいと思います。
バターとマーガリンの違い
先述したように、私が小さい頃はバターとマーガリンの違いが良く分かりませんでした。改めてその違いを確認してみましょう。
バターとマーガリンの違いは原料です。バターが牛の乳から搾り取ったミルクの乳脂が原料にしているのに対し、マーガリンは植物油脂を使っています。植物の実や種から採取される油脂なのですが、マーガリンの他に食用油をはじめ、スナック菓子などの原料に使われています。
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油脂を原料にしたマーガリンはバターに比べて柔らかく滑らかなので、パンに塗りやすいのも特徴です。バターは牛乳からクリームを分離して撹拌し、乳脂肪を凝集させて作るので、完成するとカチカチになるのに対して、マーガリン類は食用油脂に水、食塩その他乳成分、ビタミンなどが成分となるので冷やして固めても十分に柔らかさを保っているのです。
植物油脂は植物の果実や種を圧縮・精製されるので、様々な方法で抽出でき、コストが安いのです。牛乳からのみ抽出するバターに比べてマーガリンが安いのはこのためです。
ところでマーガリンは、『マーガリンは危険、体に毒』と昔から言われてきました。私もマーガリンは昔から食べていたのでこの噂を見て一時マーガリンを使わなくなったこともありました。体に悪いと言われていた理由はマーガリンに含有されているトランス脂肪酸にあります。トランス脂肪酸はヒトの体内で合成されず、また、食生活上必要なものではありません。LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させる働きがあり、多量に摂取を続けた場合、動脈硬化などによる虚血性心疾患のリスクが高くなり、がん、糖尿病などを誘発するのです。
ところが、ここ最近のマーガリンはトランス脂肪酸を極力抑えた商品が発売されるようになりました。カロリーハーフとかご覧のようにトランス脂肪酸を低減させたと表記するマーガリンも登場しています。部分水素添加油脂というトランス脂肪酸を多く含む原料を不使用にしたことで低減化できるようになりました。バターよりも低いものも珍しくありません。
バターの価格はますます上がる!?
あらゆる原料から抽出できるマーガリンと比べてバターの原料は牛乳だけなので希少価値は高く、価格も高価です。お店で売られているバターの希望小売価格は200gで500円以上します。一方のマーガリンは同じ要領でバターのほぼ半分の値段です。
バターは牛から搾った乳である生乳から作られますが、生乳といっても乳脂肪分35~40%のクリーム状の生乳がバターの原料に適しています。市販で売られているレギュラーサイズの200gのバターをつくるのに約4.2~4.4リットルほどの生乳が必要となるので、手間もですがコストもかかります。
マーガリンに比べて工程も手間もとってもかかりますし、昨今の物価高の影響で値上がりしています。乳牛を育てるための餌代や厩舎の燃料代高騰によるものですが、値段が上がれば買わなくなる、すると酪農家を続けていけなくなり廃業するという悪循環となり、今後ますますバターの価格上昇が高騰していくことになりそうです。
有塩と無塩のバター
バターには有塩と無塩があります。価格は若干無塩の方が高いのですが、ここで有塩と無塩の違いについて説明していきます。「有塩バター」といわれているのは、製造工程で塩分を添加した「加塩バター」です。塩分を加えることで保存性を高められるほか塩味をつけるのにも役立ちます。バター100gあたり1~2gの塩分が含まれており、保存性が高くなるのが特徴です。主な使用レシピはパンに直接塗って食したり、じゃがバターやバターを使った炒め物、ホワイトソースといった料理の味付けに最適です。
一方「無塩バター」は、製造工程で塩分を添加しない「食塩不使用のバター」です。バターはそもそも原料の生乳に微量の塩分が含まれているため本来、「無塩」ではありません。人為的に塩分を使わない、すなわち「食塩不使用」と表記する決まりです。保存性は有塩に比べて高くないのが特徴です。主な使用レシピは、パンやケーキなどお菓子作りに最適です。
上記のように目的や用途によって使い分けますので、有塩・無塩は間違えないように使用しなければなりません。食事に添えたり、調理として使用したりとバターを食する機会はありますが、昨今の価格高騰によりバターの使用機会を減少されていることは残念なことです。物価高騰は今後解消されるかも知れませんが、酪農家の数が年々減少していると聞きます。日本の食文化を彩ってきたバターが衰退しないようこれからも食べ続けて酪農家の方々を応援したいと思います。
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