こちらのブログでもたびたび為替相場のことを取り上げていますが、ニュースでも取り上げられるほど大きな話題となったのがトルコ国の通貨トルコリラです。現在トルコリラは大統領の経済政策が発端となり一トルコリラが10円を割り込み、一時8円という記録的な暴落に見舞われています。

 

 

 

日本円も対ドルで円安に動いていますが、トルコリラはそれ以上の通貨安に見舞われています。このような通貨安に見舞われトルコ国内はパニックになっているのではないでしょうか?ジンバブエのようなハイパーインフレに陥るかも・・そんな史上空前の暴落振りですが、今回はトルコリラについての市場や国の状況など見ていきたいと思います。

 

 

歴史のある、有数のリゾート地トルコ

トルコは、アジア西端のアナトリア半島と、バルカン半島南東端部に位置する国で、
面積は日本の約2倍の約814,758km2、人口は約7,874万人で、首都はアンカラです。ご覧のように右にはロシアや北アジア諸国、下にはアフリカや中東諸国、左にはヨーロッパ諸国が隣接する国です。

 

 

 

過激派組織の武装勢力イスラム国(IS)による内戦に陥ったシリアや、中東の火薬庫であるイランといった国と接しているとても凄いところにあります。トルコ自体も隣国ギリシャと紛争を行ってきた歴史があり、隣国とは緊張状態にある政情的に不安な一面もあります。一方でトルコは世界有数の観光立国としても知られています。

 

トルコ・イスタンブール

 

 

1978年の庄野真代のヒット曲「飛んでイスタンブール」はトルコの都市イスタンブールをイメージして創られた曲です。

 

 

情緒溢れるイスタンブールは世界有数の観光地として名高く歌詞にもあるようにイスタンブールはパラダイスとして形容されたリゾート地です。隣接するヨーロッパ諸国をはじめとして訪れる観光客は、貴重な外貨収入源となっています。

 

 

1トルコリラ=2000円からの暴落の歴史

今まさに1トルコリラ8円の時代を迎えましたが、昔は1トルコリラ=2000円という時代があったのですそれもほんの四半世紀前の1995年の話です。それまでは新興国の中でもトルコの経済成長は目覚ましいものがありました。

 

ところが1990年代の後半から経済は低調となり、政府は巨額の債務を抱え、急速なインフレーションに悩まされることになります。トルコ政権はインフレの自主的な抑制に失敗し、2000年末に金融危機を起こしてしまい、この結果、トルコリラが下落し、国内消費が急激に落ち込むことになります。

 

 

先述した隣国のシリアやイランなど、中東情勢が悪化することでトルコの政情不安を招き、結果通貨暴落の要因にもなります。トルコは経済だけでなく政情不安を招く要素が多分にあるのでは今後もリラ安要因は続くことになると思われます。

 

 

デノミで危機を乗り切ったトルコリラだが

先ほどのグラフの通り、滑落し続けたトルコリラは2000年以降も経済の落ち込みと国内政情不安でインフレはますます加速することになり、同時にリラの暴落も進むことになります。

 

そしてトルコリラに大きな転機となったのが、それまで米ドルと固定相場制を敷いていたのが、2001年の金融危機を招いたことで変動相場に移行させられることとなりました。アメリカの後ろ楯がなくなったことで、リラの暴落は加速し、ハイパーインフレに陥ることになります。

 

 

 

市場価格の加速的な物価上昇にトルコ政府のとった対策は2005年1月に実施されたデノミネーション(通貨切下げ)です。このブログでもジンバブエ・ドルがハイパーインフレに陥りデノミを行ったことついて書きましたが、(参考:最後は紙くずになってしまったハイパーインフレの象徴的貨幣ジンバブエ・ドル) それとまったく同じことをトルコもやって危機脱出を図ったのです。

 

 

これにより旧100万トルコリラは新1トルコリラとされ、デザインも一新した新紙幣と通貨が発行されました。この政策が功を奏し、一時的にトルコリラは通貨価値を回復させました。

 

 

しかし通貨価値は安定することはなく、欧州債務問題やリーマンショックなど世界的な金融危機問題が勃発したことで、影響を受けたトルコリラも追随する形で下落することになります。それからやや持ち直しかけたトルコリラですが、またまた下落の一途を辿ることになります。

 

 

 

そして今年、トルコ大統領のエルドアンがインフレを抑えるために金利を引き下げた政策がトルコの大暴落を招くことになります。これにより一トルコリラ8円台に陥り、対米ドルでも年初来40%の下落を招くこととなりました。

 

 

インフレーションは世に出回っているお金の量が増えているので中央銀行はその量を減らすために金利を上げるのが条理です。ところが政府は金利を下げるという逆のことをしたことで混乱を招き、通貨暴落を招いたのです。トルコのような新興国が暴落すれば、その国の通貨の信用性はなくなるだけです。

 

 

ということでトルコリラについて書いていきましたが、トルコリラは高金利通貨として知られています。日本国内のFX会社でも購入できるようになり、私も何度かトルコリラを握ったことがあります。(その時は幸いなことに利益が出ました)金利目当てにずっと握っていたら相当な大損になっていたことでしょう。高い金利には落とし穴がある。トルコリラなどまさにその典型のような通貨ですね(^_^;)

投稿者

yuuponshow

こんにちは、このサイト編集者のyuuponshowと申します。私たちが生まれてから死ぬまで決して欠かすことのできない「お金」。人間が生きる上でとても大切なものですからお金に執着する人って凄く多いと思います。このブログはお金を稼がせるといった怪しい情報商材などの勧誘ではなく、あらゆる角度からお金について探求するものです。難しい話でならないよう分かりやすく、たまにマニアックな話題も混ぜながらみんなの大好きなお金を語っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

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