テレフォンカードは公衆電話で使われるICカードです。硬貨と違い一々入金する手間がはぶけるし、かさばらないので公衆電話全盛の頃は重宝されていたので殆どの人が持っていたと思います。携帯の時代になって20年以上になりますが、公衆電話は今でも存在しておりテレカも使えるようになっています。

 

 

テレカの表面には写真やデザインが施されています。モノによってはコレクター商品としての価値がありました。当時流行していたアイドル、鉄道、アニメなどがプリントされたテレカにはプレミアがついており、驚くべき買取価格を提示されるものもありました。

 

 

しかしスマホが衰退した今の時代は果たしてどうなのでしょうか?テレカを日常使う機会がなくなった今でもプレミアとしての価値はどうなっているのか?またテレカそのものに利用価値はあるのか?そんな忘れられたテレカについて検証してみたいと思います。

 

 

 

テレホンカードの歴史

 

 

テレフォンカードの登場は1982(昭和57)年に当時の日本電電公社が発行したのが最初でした。同年1223日に銀座の数寄屋橋公園(東京・ 中央)に、磁気式のテレホンカードで電話をかけられる第1号の公衆電話が設置されました。カードなので小銭が不要であり、1度数(10円)単位で引き落とされるため無駄がなく、長時間通話時にも常に硬貨を投入し続ける必要がありません。また設置者側にとっても、金庫が硬貨で一杯になって機能が停止する事態を避けられる他、硬貨集金の巡回経費を節減できるメリットもありました。

 

テレホンカード販売数の推移。(単位:万枚)

 

電電公社が民営化してNTTになってからテレカ文化が一気に浸透することになります。販売枚数推移を見ると急伸しているのがお分かりいただけると思います。昭和から平成にかけて会社や友人・恋人と外出先から連絡を取る手段は公衆電話だけでした。通話で使うだけでなく、珍しいデザインや有名人を使ったテレカはコレクターの間でも価値が高まっていくことになります。

 

 

最も売上が高かったのが1994~1995年の4億万枚超(販売金額にして2700億円)でした。この当時は携帯電話が普及しつつある頃ですが、その前にポケベルが全盛期を迎えていました。サラリーマンの連絡手段として利用されていたポケベルが、女子高生の間でブームとなり90年代半ばにポケベルブームを呼び込んだのです。友人同士や恋人と、リアルタイムで直接つながる唯一の手段だったポケベルの需要が伸び、テレカの売上にも大きく貢献したのです。

 

 

やがてポケベルも携帯に取って替わることとなり、グラフの通りテレカの売上は大きく下落していくことになり、全盛期年間4億万枚の売上を誇ったテレカも2019年遂に販売・製造停止の運びとなりました。

 

 

テレカがプレミア化してお宝になった時代

 

 

これまでたくさんのテレカが販売されましたが、多種多様なカード表面のデザインが存在するため、発行当初から超プレミア化した高額なテレカが存在します。テレカ全盛の頃は電電公社時代に発売されたものや、使用済カードも含め、非売品(ノベルティ)や限定品など希少性のあるものが数十万円もの価格で取引された時期もあります。また時価が記載されたコレクター向けの雑誌やカタログなども存在しました。

 

ここで有名なテレカを3つ取り上げてみました。

 

斉藤由貴

 

1985(昭和60)年に発行された斉藤由貴のデビュー曲『卒業』を記念して発行された非売品です。ご覧の通り電電公社時代の表示とマークがあります。斉藤由貴はデビュー前からCMやグラビア出演するなど知名度もあり人気が高かったこともあり満を持してのデビュー曲に合わせて販売されたこのテレカもプレミアが付くことになりました。これまでアイドルのテレカは数多く出てきましたが、この斉藤由貴のものほど勝るものはなく最高額は30万円で取引されていました。

 

 

 

岡本太郎

 

岡本太郎は、昭和時代に万博の太陽の塔など国民のシンボルともいえる大作を数多く手がけたことで知られる日本を代表する芸術家です。鮮明かつダイナミックで力強い作風で知られています。1982(昭和57)年に導入されたテレホンカードのデザインも岡本太郎のものが採用され、このデザインが記念すべきテレカ第1号作品となりました。発売当初は人気を博し、電電公社表示のものがほとんどプレミア化しました。この岡本太郎テレカも平成初期のテレビの鑑定番組で8万円の価格がつきました。

 

 

月間ニュータイプ『ああっ女神さま』

 

 

漫画の人気キャラクターが載っているテレカもプレミア価格での取引が期待でき、女性アイドル以上のプレミアが付くことがあります。こちらの漫画キャラクター『ああっ女神さま』が掲載している月刊誌ニュータイプの100号記念テレカは何と50万円で取引されていたのです。その高額取引が大きな話題となると当時に世界で50枚しか発行されていないこのノベルティーカードはマニアの間でもいまだに関心が高く幻のカードとなっています。

 

 

ということで3つの話題性のあったテレカを紹介しましたが、いずれも20年以上前のテレカが普及していたころの話です。テレカ文化が衰退した現在はいずれも最高で取引されていた額面より下回っています。斉藤由貴やああっ女神さまっは非売品でプレミア感もあり今でも10万円程の取引がありますが、岡本太郎のはテレカの種類も多く一般販売されていたこともあり市場に多く流通していることから現在額面通りの価格か、それ以下の取引も見受けられます。

 

 

テレホンカードはいまだ使われている

 

 

携帯電話が全人口でほぼ普及した現在において、公衆電話の利用価値は年々減少傾向にありますが、災害での緊急時に停電で携帯が繋がらない事態にはそんな災害時でも、公衆電話は通信制限や停電の影響を受けることはありません。公衆電話は通信ビルから電話回線を通じて電力の供給を受けているため通信規制の対象外として優先的に取り扱われる「災害時優先電話」となります。そのため公衆電話は一定残しておかなければならないのです。

 

公衆電話施設数の推移(単位:台)

 

テレカの販売枚数がブームが去るとともに急落しているのに対し、公衆電話台数は緩やかに下落していることがわかります。全盛期の4割ほどですが、公衆電話をすべて撤去できない理由は、上記のような重要な役割を担っているからなのです。

 

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いざという時に公衆電話は役立ちます。そんな時テレカも当然役立ちます。そして知らない人多いと思われますが、何と電話料金の支払に利用できるのです。未使用カードに限りますが、翌月以降の電話料金のうちダイヤル通話料金の支払いに充てることができるのです。

 

 

テレカはもはや使い道がないと思われたでしょうが、このようにいざという時に役立ちます。昔のようにはいきませんが、無くなっては困るのです。やや落ち込んだプレミア感もこれから先復活するかも知れません。公衆電話はイザというとき必要であることからテレカ文化も縮小しながらもしばらく存続していくことになりそうです。

 

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投稿者

yuuponshow

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