今年に入って物価が軒並み急上昇しています!収入が上がらないのに何でこんなに物価が上がるの?毎月のように食品の値段が上がっていくというニュースを見て嘆きたくなる思いです。そういったことの背景もあるのでしょうが、日本政府が政策として打ち出したのが『住民税非課税世帯への5万円給付』でした。
物価高対策としての住民税非課税世帯への5万円給付。現状では申請を待たずに支給する場合、住民税非課税か児童手当の給付対象かの実質2パターンで、いずれの線引きも対象の偏りや公平性に課題を指摘されます。https://t.co/xHE94VlB4M
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) September 20, 2022
残念ながらすべての国民に支給されるものではありません。それに5万円って少ないような気がしますが・・いずれにしろある程度の収入を得ている国民の方には関係ないことであり、不公平感が拭えませんが、今は関係なくてもこの先、住民税非課税世帯になるかも知れません!?そうなったときに受ける恩恵とはどのようなものなのか?ということで今後お世話になるかも知れない住民税非課税世帯になるための条件やその恩恵について検証していきたいと思います。
住民税非課税世帯になる条件
住民税は「市町村民税(以下市民税)」と「都道府県民税(以下県民税)」を合わせた税金のことを言います。住民税は、個人の所得に応じて課税される「所得割」と、居住する自治体ごとに一律に課税される「均等割」で構成されています。所得割の税率は市民税6%、県民税4%の計10%です(政令指定都市の場合は市民税8%、県民税2%)均等割は所得の大きさに関係なく5000円です。(市町村民税が3500円、道府県民税が1500円)
この住民税が非課税になる世帯とは、上記の所得割も均等割もかからない住民税を収めていない世帯のことを言います。住民税は収入を得た人に課税される税金ですが、一定の収入以下の人は住民税が非課税になります。住民税は個人単位で課せられる税金であるため、住民税非課税世帯とは、世帯全員が所得割・均等割ともに非課税の世帯を意味します。
住民税非課税世帯の条件は下のようになっています。
年間収入35万円というのがベースになるようですが、非課税世帯はその世帯の構成によっても変わってきます。世帯で所得がある場合、同一生計配偶者( 給与所得者と生計を一にしている配偶者のうち、合計所得金額が38万円 (給与収入103万円 以下の人)または扶養親族がいることで計算式はこのようになります。
35万円 × (本人 + 同一生計配偶者 + 扶養親族)の人数 + 21万円
※(自治体によって数字や計算式が変わってくるので注意)
次にそれぞれの世帯例を出してどうすれば非課税世帯になるのかを説明していきます。
給与所得者の単身世帯の場合
所得が35万円以下であれば住民税非課税となります。給与所得者の場合、最低でも55万円の給与所得控除が受けられることから、年収90万円以下であれば住民税が非課税となります。
給与所得者の夫・専業主婦の妻・子ども1人の世帯の場合
上記の同一生計配偶者がいる場合の計算式にあてはめると所得が126万円(35万円×3人+21万円)以下であれば住民税非課税となります。給与所得控除(65.5万円)を含めると、年収は192万円以下です。
給与所得者の夫・パートタイマーの妻・子ども2人の世帯の場合
配偶者の所得が35万円以下であれば住民税は非課税になり、扶養親族等の数にも含めることができます。また、夫の所得が住民税非課税限度額以下であれば、共働き世帯でも夫婦ともに住民税が非課税になります。
妻の年収が100万円以下の場合は扶養親族等の数が3人です。この場合、妻の住民税はかかりません。
夫も住民税非課税となる条件は、所得が161万円(35万円×4人+21万円)以下であり、給与所得控除(80.6万円)を含む年収は242万円以下です。つまり、夫婦の年収合計が345万円以下であれば住民税非課税世帯となります。
住民税非課税世帯のメリット
上記のように住民税非課税世帯となる条件はご理解できたと思います。ただし自治体によって数字や計算式も変わってくるので、お住まいの自治体に問い合わせしてみると良いでしょう。ということで次は住民税非課税世帯と認定されて受ける様々なメリットを紹介します。
一昨年、新型コロナの特別給付金10万円円が全世帯に支給されたのは記憶に新しいところです。そして今回住民税非課税世帯だけの特別給付金が5万円円支給されることは先に触れましたが、実は今年初めにも10万円分の臨時特別給付金が支給が行われているのです。
住民税非課税世帯と家計急変世帯に「10万円」の「臨時特別給付金」 | MONEY TIMES https://t.co/heLA2cvyuR
— ピーターパン (@gonta59631) September 25, 2022
対象外の人からすれば全員貰った10万円とは別に、更に10万、そして5万円貰えるのですから羨ましく感じるでしょう。住民税非課税世帯が受けることができるその他のメリットについても紹介します。
● 国民健康保険料・国民年金保険料が軽減される
国民健康保険料は所得を基準に計算しているので、住民税非課税世帯であれば高くはないのですが、それから更に2から7割分の負担額が軽減されることになります。国民年金に関しては自己申告が必要です。
● 介護保険料が軽減される
65歳以上の約3割にあたる住民税非課税世帯の介護保険料が所得段階ごとに軽減されます。
● 高額療養費の自己負担額が軽減される
医療費の自己負担が一定額を超えた場合に、超過分について加入している健康保険から払い戻しを受けられるのが高額療養費制度ですが、住民税非課税世帯には、高額療養費制度の自己負担額を軽減する措置もあります。
● 高等教育の就学支援制度の免除
日本学生支援機構の給付奨学金と大学等の授業料・入学金の減免を併せて受けることにより、大学等にかかる学費の負担を大幅に軽減されます。
● 入院中の食事の自己負担額の軽減
入院したときの食事代は、医療費とは別に自己負担となりますが、申請することで食事代分負担が軽減されます。
● がん検診費用の自己負担金の免除
がん検診が無料で受けることができます。
● 予防接種の自己負担金の免除
国は現在、自己負担額1500円支払うことですべての予防接種を受けることができますが、申請により無料で接種することができます。
● 0歳から2歳までの子どもの保育料の免除
幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3~5歳のすべての子供の利用料が保育料無償化制度によって無料になっていますが、住民税非課税世帯の場合は、0~2歳の保育料も無料になる優遇措置があります。
● 給付金の支給対象になることも
先述した通り、臨時特別給付金の支給対象となることもあります。
ということで住民税非課税世帯になることでの優遇措置を紹介しました。生活保護ほどではないですが、非常に手厚い優遇制度となっています。詳しくはお住まいの自治体に問い合わせてみてください。
今後も増える!?住民税非課税世帯
ご覧いただいたように、住民税非課税世帯は一般世帯に比べてたくさんの恩恵を預かれる制度です。ちなみに国内での非課税世帯が占める割合は以下の表の通りになります。
年代別・住民税非課税世帯の割合 (厚生労働省「2021年生活基礎調査」より
表のとおり、住民税非課税世帯の数は1,218万世帯。全世帯に占める住民税非課税世帯の割合は23.7%となっています。全世帯の4分の1近くが非課税世帯となる訳で、意外と多いですね。世帯全体で見ると住民税非課税世帯全体に占める60代〜80代以上の割合は82%となり、退職して年金生活となる世帯の割合が当然ながら多くなりますね。これは十分な年金支給されていないことのあらわれと言えるでしょう。
決して景気が良くなく、少子化も進んで貧困化が顕著になってる日本において、この先住民税非課税世帯の割合は更に増えていくように思います。非課税世帯はいわば低所得世帯であるので、割合が増えていくというのは決して望ましくありません。
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このような低所得世帯のための手厚い優遇制度を未来永劫存続させるためにも、それを支える世帯の割合がもっと高くなるような社会にしていくことが大事です。巷では給付金を受けとる非課税世帯に対して「ずるい」と言う声もあるようですが、社会保障が充実していて、自分たちの収入が潤っていればそんな言葉は恐らく出ないと思います。非課税世帯でも、そうでない世帯でも生活しやすい充実した社会となれば良いのですがね。
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