先日このようなニュースが流れてきましたが、ちょっと衝撃的なニュースでした。
朝日新聞が5月から値上げ
— 産経ニュース (@Sankei_news) April 5, 2023
朝夕刊セット4900円にhttps://t.co/OF8Kqod2Hn
5日朝刊で「報道の質を維持し、新聞を安定発行するため、ご負担をお願いせざるをえない」と理解を求めた。
世界政変のあおりで物価高が止まらない状況となっていますが、新聞もその影響なのでしょうか!?朝日新聞が月5,000円近くの月極料金とは衝撃です。朝夕刊セットとは言えこの値段ではちょっと購読しようという気にはならないですね。ちなみに毎日新聞も来月6月から朝日と同じ4,900円となり、これを報じた産経新聞は朝刊のみで3,400円、私の地方紙(南日本新聞)も朝刊のみで3,400円です。今の時代夕刊廃止の新聞社は珍しくありませんが、今は朝刊もとらない世帯がずいぶん多くなりましたからね。
今はネットもあるので、ネットより情報が遅れがちの新聞を購読する習慣がなくなりつつあります。しかし新聞社はネット媒体とは比較にならない組織力と人海戦術を強みにしてスクープを発信してきた歴史があります。今は週刊誌がその役割を担いつつありますが、組織と人海力では比べ物になりません。やはり新聞社の存在は必要だと思います。
今回は数ある新聞社の中で日本共産党機関誌の「赤旗」。を取り上げてみました。赤旗を新聞一般紙と一緒にすることに抵抗ある人もいるかも知れませんが、赤旗は一般メディアと比較して組織力・人材力では劣るもののスクープを連発してそれが後追いで一般メディアでも取り上げられるなど、大手メディアにひけをとらないどころか一目を置く存在として知れ渡っています。私も地元の図書館に行ったら日刊と日曜版を必ず閲覧していますが、非常にクオリティーが高く、政党機関誌とは思えないコンテンツの充実ぶりです。今回は赤旗について取り上げていきたいと思います。赤旗に携わる編集部はどのような人たちで構成されているのでしょうか。歴史も振り返りながら検証していきたいと思います。
(逮捕・投獄・迫害)死を覚悟した創刊時代
日本共産党の機関誌「赤旗」は現在毎日刊行される日刊誌と毎週日曜日に刊行される日曜版があります。創刊されたのは1928(昭和3年)で、当時は治安維持法が施行されたばかりという時代背景もあり、国家が共産党を始めとする反政府の政治結社に対する弾圧が厳しいこともあり非合法による発行の地下新聞としての活動を余儀なくされました。
これが戦前の赤旗ですが、右上の方に1931 / 3 /23とあります。まさに逮捕・投獄・迫害を受け、最悪死を覚悟しながら刊行されていたその時代のものです。当時は赤旗をもっているだけで逮捕されることもあったとか。戦時色が強くなり弾圧が強まったことで赤旗は1935(昭和10)年、第187号をもって発行停止となりました。
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戦後を迎え、治安維持法が廃止されたことで合法的に活動できるようになり赤旗も1945(昭和20)年10月20日から再刊することになります。発行停止から10年経ってようやく再スタートとなった訳ですが、創刊から20年は赤旗にとって、公安からの弾圧の戦いであり、命辛々とも言える危険な状態での活動だったのです。
記者・編集者300人で他誌を凌ぐ赤旗のスクープ
赤旗と言えば他紙を圧倒するスクープの数々です。近年は国会で議題として取り上げられる記事を次々と出しています。
赤旗のスクープで一番印象あるのはやっぱこれだね。国会でもメディアでも連日取り上げられて、結果的に安倍総理の退陣を早めたと言われてました(・∀・)
— お金のストーリー (@okanestory) May 18, 2023
しんぶん赤旗日曜版 | 【全文公開!】桜を見る会スクープ第一弾 https://t.co/8TNi4zdB5y
赤旗スクープ!
— かばさわ洋平 (@ykabasawa) July 29, 2022
安倍晋三氏が首相時代に主催していた桜を見る会に旧統一教会関係者が招待されていたことが判明。
桜を見る会は税金でやる公的行事。反社会的団体の幹部を招待が霊感商法のお墨付きを与えたことになります。
こうしたことからも国民の税金で国葬はすべきではありません。 pic.twitter.com/hZ4ac9wQmC
またも赤旗スクープ!
— かばさわ洋平 (@ykabasawa) January 11, 2023
高市早苗氏が政治資金規制法違反の疑いで奈良地検に刑事告発されたことを伝えています。違法疑いの証拠である、自らが発行した領収書を違法が問われない領収書に再発行して差し替えるという前代未聞の対応… pic.twitter.com/vjLTpe2AgB
記憶に新しい「桜を見る会」ではスクープを発してから、国会で共産党の田村智子議員が安倍総理に問いただしましたが、瞬く間にメディアで取り上げられることになりました。招待客に安倍総理の地元から200人も招待するという選挙買収では?と公私混同と批判されることとなりました。
さらに預託商法詐欺で会長始め逮捕者が続出したジャパンライフ幹部や、刺青が体全身びっちり入った反社会的勢力が招待されたことも明らかに、そして桜を見る会の前夜祭では一人当たり5,000円という会場となったホテルニューオータニの料金設定としてはあまりに安く、安倍事務所が補填したのでは?と桜を見る会において派生的に問題点が次々炙り出されることとなりました。
桜を見る会のようにメディアが後追いで社会問題化するものや、筋が悪いのか後追いしないものまでさまざまなスクープを生み出してきた赤旗ですが、いずれにしろそれらの報道はしっかりした裏付けがなされた取材を元にしたものであり、取材力の高さがうかがえます。赤旗記者・編集部員は300名程度であり、全国一般紙が1000から2000人に比べて人海力としては劣りますが、赤旗は他機関からの「タレコミ」が多いそうです。全国紙では取り上げないことも平気で取り上げてくれるので、そうした他ではできない人脈をいくつも持っている強みなのでしょう。
赤旗編集部の「調査能力」が高いことはマスコミ業界で高く評価されていることは事実です。古くは リクルート事件やムネオハウスなどテレビで連日報じられていた事案をスクープしたのも赤旗でした。 新聞・放送・出版などにおける優れたジャーナリズムを表彰するJCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を度々受賞するなど大手新聞社や出版会社も一目置く調査能力を備える報道機関と言えるでしょう。
今のマスメディアを見ると政権に阿った差しさわりない報道姿勢に映って仕方がありません。報道機関の本来の使命である「真実を伝える」、「権力を監視する」というジャーナリズム精神が欠けているように思えます。その点、赤旗は野党の機関誌という観点からしても既存のマスメディアが失ってしまったジャーナリズムは健在であり、今後も失うことのないよう頑張ってもらいたいものです。
廃刊危機でも衰えぬジャーナリスト精神
赤旗編集部があるのは、日本共産党本部ビル(渋谷区千駄ヶ谷4-26-7)隣、明治通りに面した8階建てのASビル内にあります。ASビルの3階までは「しんぶん赤旗」を印刷しているあかつき印刷があり、その上階が赤旗編集局です。
しんぶん赤旗編集局が入るビル=東京・千駄ケ谷
『赤旗』編集部内
編集局には政治部、社会部、スポーツ部など計22の部署があり、本部管轄の記者は約300人。北京やワシントンなど海外5都市に特派員も置いています。これとは別に、各都道府県にも記者が1~2人配置されており、地方版の編集作業などに携わっているという。この赤旗編集部員は当然ですが、全員共産党員であり、赤旗編集部に入社するには共産党入党が条件となります。
日刊『赤旗』は普通の新聞一般紙と比べて構成がほぼ同じです。一面やスポーツ面、社会面、社会記事などがありますが、違うのが政治面の扱いです。政権与党への厳し目の糾弾記事はもちろんのこと、共産党の活動報告を余すことなく掲載しています。共産党機関誌だけに政治面はイデオロギー色が強く出ていますが、他の紙面は至って普通の内容です。それぞれ編集作業員がいるので、他社から引用せず、すべて自分たちで編成編集した完全独立機関誌となっています。
しかし赤旗は現在、財政基盤が揺らぐ事態となっています。かつては400万部まで発行部数のあった赤旗ですが、現在日曜版で80万部、日刊紙に至っては20万部弱、計100万部まで落ち込んでいます。全国紙として販売網を確立している赤旗ですが、既に採算割れれとなっており、月々数千万円以上の赤字が出ている状況です。この事態は母体の日本共産党にまで影響が及んでおり、党の収入の8割を占める『赤旗』の売上部数減は党の存続に支障を来すことになるのです。
一般の新聞も部数が低迷していることもあり部数減で苦しんでいるのは赤旗だけではないのですが、世の流れが「活字離れ」が進んでいるということでしょう。しかしこれまで世に多くのスクープを輩出した優秀な報道機関誌が利用者減により廃刊を余儀なくなるのは忍びないです。日刊紙一部130円、日曜版240円、月契約で日刊3500円、日曜版930円。電子版や点字版もあり、幅広く利用できるようになっています。既存のマスメディア誌に嫌気が差しているのであれば赤旗をとってみるのも良いかも知れません。
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