今の世の中、消費税を始め、あらゆる物価があがって私たち国民生活における負担増を感じている人はとても多いのではないでしょうか?それに加えて今年はコロナ禍により経済に大きなダメージを負うこととなり、企業倒産が例年以上に増大し、非正規を中心に雇用契約を解除されたとの報道もたくさん目にします。
こうした事態に政府が緊急経済対策として全国民対象に10万円の特別給付金の支給が決定しましたが、10万円では月の生活費にすら届かない額ですから二回目以降支給がないと経済対策としての効果は、ほぼないと言えるでしょう。
この困窮した現在に比べて、好景気に沸いた30年前と比較すると意外なことに給料水準はそれほど変わっていません。30年前と言えば1990年(平成2年)ですが、消費税も3%でしたし、社会保障費も今と比べて物凄く安かったのです。現在(令和2年)と30年前(平成2年)という同じ元号2年目ですが、その大きく違うを検証していきたいと思います。
平均収入は現在の方が多いのだが・・
まずは給与水準を比較しますと30年前と現在では給与水準はほぼ同水準と言いましたが、実際はご覧のように現在の方が若干ですが高いのです。
ところが、この30年での最高平均給与は大きく変動することになります。つまり、なだらかに上昇したのではなく、ジェットコースターのように最高点に達したと思ったら急降下して底を這うような動きをしながら今の水準となったのです。実際に平均給与の推移をみると1997(平成9)年は467万円で、過去最高平均給与となりましたが、2010(平成22)年にはリーマンショックの影響で408万円と過去最低平均給与に落ち込んだのです。
30年前と比べて大きく異なるものがありました。これもその代表的なものです。
https://twitter.com/yutanakzawa/status/278508746378993664
給与水準は変わらないのに社会保険の負担額が2倍になってしまっているのが国民年金保険料なのです。
国民年金保険料の変遷
国民年金が創設されたのは1961(昭和36)年のことです。国民年金は、国民全員が加入する「国民皆年金制度」という触れ込みで始まりました。当時の受給開始年齢は60歳でしたが、61年時点ですでに50歳以上だった人は、保険料を1円も払わなくても全額税を財源とする「福祉年金」を70歳から受け取れるという形で、年金制度は始まりました。
原則25年以上加入して保険料を納めなければ、年金を受け取れない仕組みでしたが、制度が始まったばかりのころは、特例として最短10年の加入期間で良いという措置も取られていました。
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創設時には加入期間の短縮暫定措置などを取られていたため、年金保険料を少なく収めても、それ以上の見返りが大きかった為、加入率は100%に近い水準だったそうです。国の方針ですから皆信じていたし、実際に満足できる年金を受け取れたのですから。
ここで国民年金保険料の推移をご覧ください。
制度化された当時が100円とか150円とか信じられませんが、当時の物価を考慮してもかなり安いですよね。当時の大瓶ビール1本とほぼ同じくらいの保険料だったのですよ!これなら負担もなく支払えますよね。
それから段階的に引き上げられ平成2年に8,400円まで上がりました。年金制度発足時からすればかなり保険料は上がりましたが、当時はバブル絶頂期でしたからそんなに負担には感じなかったはずです。
そして現在はその倍の16,000円超ですか・・・30年前と給与水準は変わらないのに支払いだけが増えてしまえば、お金が回らなくなって景気が悪くなって当然ですよね。
負担が増えるばかりの社会生活
最後に30年前と比べて変わった代表的なものを挙げてみました。
給与はちょっと上がっても、30年前と比べてこんなに負担が増えてしまったのですね (;´・ω・)
国民年金については色々と問題があって、設立当時60歳からの支給開始が65歳にずれ込んで、更に75歳にまで延長することも検討されています。平均寿命が上がったこともありますが、少子化も進んでいるのですから保険料が足りなくなるのは当然ですよね。それに国民から集めた保険料を原資に箱ものなどを国内に一杯作ってそれが破錠して大きな債務を負ってしまったことも。そして現在進行形で国が株式投資の買い支えのために株式市場に大量に投入していますからね。
30年間給与水準が変わらないのに毎年保険料が上がることもですが、当初の目的から逸脱した間違えた運用もありました。このままでは間違いなく近いうちに枯渇してしまうことになります。
あの頃は良かったな~という話にしようと思ったら、最後の方では少し感情的に書き綴ることになりました。国民の負担率が増えることすなわち景気の悪化を導くことになりますからね。年金制度の見直しを含めた改革を行うべきときが来ているのではないでしょうか。
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