今年はコロナ禍の影響で約7万人を超える人が勤務先から解雇や雇止めとなったそうです。突然、雇止めの宣告を受けると目の前が真っ暗になってしまいそうですが、企業側も業績悪化で見通しが立たない状態で、倒産や廃業に追い込まれかねない事態ですのでやむにやまれずという状態なのでしょう。。

 

 

生活の基盤となる職場を失うことで、次の仕事を探さなければなりませんが、すぐに見つかるわけではありません。そうした方が生活を保障するためのセーフティネットが 雇用保険 です。今年はコロナの影響で雇用保険の受給者も相当多かったでしょうが、会社などで雇用されていた方が離職した場合、失業中の生活を心配しないで再就職活動ができるよう、一定の要件を満たせば、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受けることができます。仕事がなくなったときの「公的保険」として金銭的補償を補う雇用保険の仕組みについて検証していきたいと思います。

 

 

雇用保険に加入するには

労働者の雇い主は、雇用保険加入の対象となる労働者を必ず雇用保険に加入させなければなりません。また、会社、団体、個人事業主といった業態の別を問わず、雇い主自身も、雇用保険の適用事業所として届出をする必要があります。

 

 

正社員はもちろんのこと、アルバイト・パートの人も雇用保険の加入が義務付けられています。ハローワークで登録されている会社は間違いなく雇用保険に加入していますので安心できます。ただ雇用されているすべての従業員に加入が義務づけられている訳ではありません。

 

雇用保険の加入条件

◎ 勤務開始時から最低31日間以上働く見込みがあること

◎ 週間あたり20時間以上働いていること

◎ 学生ではないこと(例外あり)

 

日雇いや週一日の勤務、学生アルバイトの方は加入できません。雇用保険に加入したいならば、上記の条件を満たす就労条件で雇用契約を結ぶことになります。

 

 

またまれにですが、会社が雇用保険未加入の会社もあります。そうなると従業員は加入条件を満たしていても雇用保険に加入できなくなるのですが、これは会社側が雇用保険登録を怠ったことによるものです。しかし従業員を雇用している以上、雇用保険は「法律上の義務」であり、未加入は違法です。もし未加入と発覚したら会社に相談するか、それでも応じない場合は近くのハローワークに問い合わせすることです。

 

 

雇用保険料と支給要件

雇用保険料は毎月の給料から引かれて徴収されます。一般的には雇用者と従業員とで1:2の割合で負担しますが、表のように決して高い負担額ではありません。

 

 

例えば毎月20万円の給料だと雇用保険料は1800円です。そのうちの3分の1が従業員負担なので毎月600円の負担で済みます。

 

 

また失業給付に当たるものとは別に、雇用者が全負担する雇用保険二事業というものがあります。これは失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発・向上その他の労働者の福祉の増進等をはかる目的です。従業員からすれば目に見えない助成制度ですが、とても役立つ制度であるということですね。

 

 

次に会社を辞めることになって雇用保険の受給手続きとなった場合の解説です。これは説明が長くなるので下にある転職情報誌のDodaのページからご確認ください。

 

退職後の手続きマニュアル 雇用保険と失業給付金 ~役所・公的機関に行く前に~

 

失業給付に必要な書類・支給までの流れ・支給額・支給期間など細かい説明が記載されています。ぜひご活用ください。

 

 

 

コロナ離職の特例措置

今年猛威を振るったコロナによる解雇者は従来の会社都合退職者とは違い、特定受給資格者及び特定理由離職者の該当者とみなされます。求職期間がコロナで長期化することを考慮する狙いがある特例で、条件を満たせば、失業手当をもらえる期間が60日(一部30日)延長されることになりました。

 

 

具体的な対象者は、積極的に求職活動をしている人のうち、下記1~3のいずれかの条件を満たし、かつ、すでに失業手当(基本手当の所定給付日数)をもらっている人、または、これからもらう人で、所定の受給終了日が、令和2年6月12日以降にあたる人です。地域にかかわらず、全国一律で下記の日付で判断されます。

 

特定受給資格者及び特定理由離職者の該当者

特定受給資格者…倒産、解雇などの理由により離職するしかなかった人
特定理由離職者…①労働期間が契約により定められていて、更新希望をしたのにも関わらず更新されず離職した人 ②転居、婚姻などによる自己都合で離職した人

 

1.令和2年4月7日以前(緊急事態宣言前)に離職した人(離職理由は問わない)

2.令和2年4月8日~5月25日に離職した人

3.令和2年5月26日以降に新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた人

 

 

この特例措置は従来の会社都合による退職とは違い、倒産や民事再生などで離職した人のための救済措置です。これにより離職理由問われることなく申請することですぐに支給されるようになります。

 

 

こうした救済措置は失業者にとってありがたいものです。まだまだ厳しい求人環境にありますが、これなら幾分かは落ち着いて仕事を探すことができることになります。厳しい時代となり、いつ職場を離れることになるか分かりませんので、国の制度を上手に活用することが大事です。