みなさん車はお持ちですか?僕はCR-Vを手放して14年が過ぎ、以来車は所有していません。たまに車に乗りたいなと思うときはありますがその時にはカーシェアの車でドライブ行ったりすることはあります。維持費も高いし、車なんて無くても大丈夫なのですが、所有しているとやっぱり愛着って沸くものですよね。
ところで車市場はこれまでにない盛況だそうです。世界的な半導体不足やコロナ禍による部品供給の遅れなどで新車の生産が滞っています。そしてその影響は中古車市場にも飛び火し、流通台数の減少や価格の高騰も取り沙汰されています。軽自動車が100万円下らないなど、車市場は車の品不足の影響が出ています。
ただでさえ、「中古車が足りない=高値」という昨今の傾向に、さらに拍車をかけているのが旧車ブームです。例えば日産スカイラインGT-Rや、スバルインプレッサ、三菱ランサーエボリューションなどハイパフォーマンスモデルのほか、トヨタスープラやホンダシビックなど絶版車も高値で取引きされています。中古車市場で希少性のある日本車の高騰が続いているのですが、検証してみたいと思います。
販売当時も稀少価値が高かった旧車
日本でフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンなど高級車の販売台数が衰えないのは高級車志向が根強いこと証明と言えるでしょう。その一方で旧車と言われる数十年以上前に日本で製造されたクラシックカーも人気を博しています。
1970年前後に国産車のスポーツカーが登場したことで、車ブームに拍車がかかりますが、当時まだ車は高根の花だったことは間違いありません。その中でもひと際注目されたのが「ハコスカ」という敬称で愛されたスカイラインでした。
国産車スポーツカーとして華々しく登場した日産スカイラインKPGC10型(1970年型)通称:ハコスカの最高グレードGT-Rは2ドアハードトップモデル仕様で、2000ccエンジンL20型を搭載し、エンジンはS20型の直列6気筒DOHCを搭載した当時のハイスペック車です。ハコスカ全体の販売台数約31万台に対しレースカー仕様にほぼ遜色ないグレードのGT-Rは1945台と国産が誇るスーパーカーとして名を馳せました。
僕がハコスカという車を最初に知ったのは、ヤングマガジンの「シャコタンブギ」というマンガでジュンちゃんというキャラクターの愛車でした。
憧れのマンガの世界
— SMOKING GUN (@862199) June 7, 2020
シャコタンブギ
ジュンちゃんのハコスカ pic.twitter.com/WduPhCB7BS
ジュンちゃんは主人公ではなく、漫画の主要人物で、普段自分の実家の整備工場で働いていて、男前で喧嘩も強く、コマした(ヤった)女は数知れず、そしたドライビングテクニックは超一級品、作中ジュンちゃんが峠を攻めるときのハコスカ走行の描写もたくさん出ていますが、これをみてハコスカに憧れた人も多いのではないでしょうか。
スカイライン・ハコスカに続くケンメリの愛称で知られる、1972年に登場したスカイラインC110型 はケンとメリーがスカイラインに乗り日本各地を旅する当時のシリーズCMが有名だったこともあり、販売期間は約4年間でしたが約67万台を生産し、歴代スカイラインの中で最多販売数を叩きだしています。ところが最高グレードのGT-Rの販売台数は何とたったの197台だったのです。
実はケンメリGT-Rは当初生産計画は無く、理由は厳しさを増す排出ガス規制にありました。車販売会社的に開発原資を集中させる必要があり、「高性能よりも売れるクルマを」という顧客の要求があったからです。しかしケンメリが発売されるとGT-Rを作ってほしいという要望が殺到し、ケンメリGT-Rを生産することになります。GT-Rの生産期間は1973年1月から4月までのおよそ4ヵ月ということも稀少生産に影響しているのです。
ハコスカ、ケンメリGT-Rは販売台数が極小数故、当時のユーザーはもとより、世代を超えて憧れを抱くユーザーが多いのです。
人気の旧車の販売価格ベスト5
ではここで国産旧車の人気ランキングベスト5を発表します。このランキングは現在の市場価格と旧車としての人気の高さを照らし合わせて独断と偏見で決めました (笑)。異論はあると思いますが、ともかくご覧ください。
5位 サバンナRX-7 SA22C(FB3S)
販売価格(1978年)169万円 現在の市場価格 300~750万円
1978年発売、マツダを代表する名車と言われるサバンナRX-7はロータリーエンジンを搭載しており、甲高いエンジン音が特徴です。後にターボ仕様車も出ましたが、初期のRX7は歴代を通じて人気が高く現在急騰しており、絶版となった現在では上記のような相場となっています。
4位 トヨタ2000GT
販売価格(1967年)238万円 現在の市場価格 5000万円~1億円
1967年にトヨタ自動車とヤマハ発動機が共同で開発した国産初のスポーツカーとして誕生したのがトヨタ2000GTです。販売期間は僅か4年で前期型と後期型含めて337台しか発売されたなった稀少性もありクラシックカーを専門に取り扱うRM_auctions社が行うオークションで、日本車としては最高値である1,155,000ドル(約1億1800万円)で落札されています。
3位 フェアレディーZ432(S30型)
販売価格(1969年) 182万円 現在の市場価格 500万円~1000万円
初代となるフェアレディZ S30型の登場は1969年までさかのぼります。鮮やかな流線形スポーツカーボディーは当時としては画期的なデザインでした。レース参戦用のベースモデルとして作られたフェアレディZ432Rは2000ccながら250馬力という力強さと優れた性能が魅力でした。432Rの生産台数は419台という限られた台数の希少価値もあり旧車市場で人気も高く、状態が良ければ1000万円を上回る取引がされているようです。
2位 スカイラインKPGC10型(ハコスカ)GT-R
販売価格(1970)年 154万円 現在の市場価格 500万円~3000万円
ハコスカGT-Rの発売当時の価格は150万円でした。当時の金額ですので、現在の価値に変換すると平均1000万円程、状態が良いと3000万円はいくようですので、この価格では一般人では手が届きません!販売台数はGT-R仕様が1945台でしたので、いかにハコスカが高級車であったことがお分かりいただけるかと思います。
1位 スカイラインC110型(ケンメリ)GT-R
販売価格(1973年) 163万円 現在の市場価格 500万円~4000万円
前モデルのハコスカGT-Rよりも台数の少ないケンメリGT-R、僅か197台では旧車市場でも人気になりすぎるのは当然と言えるでしょうね。当時の販売160万円に対し、現在最高値で4000万円、マニアの間では更に価格が高騰しそうです。
旧車オーナーになってみたい!でも直面する問題点
子どもの頃に人気だった車に強い愛着を抱いて、それが大人になっても愛着が衰えないのですよね。ハコスカやケンメリなど半世紀前の車ですが、その頃憧れていた子供たちが還暦を迎えているのですが、憧れが高じて旧車のオーナーになることも珍しくありません。
ハコスカのような旧車を所有してみたいと思いを抱く人結構いるのではないでしょうか?しかし旧車を所有することで大きな困難に直面することになります。
先述したように旧車は高騰しています。当時の車両価格から数倍から十数倍の価格で取引されることも珍しくありません。仮に買えたとしても維持費面「税金」と「保険」が一番の問題です。税金は13年を超えると、自動車税と重量税が増税され、たとえば前者は15パーセントアップとなるなど負担は大きくなります。
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それよりも維持において困るのが、「部品の確保」です。基本的に日本車の場合は旧車の部品を仕入れることは無理だと思ったほうがいいです。純正パーツが多く残っているわけではないし、仮に見つかったとしても、そこそこのお値段なことが多いし、品質も劣化していることもあります。
そして次なる問題は「修理」です。ディーラーではオイル交換ぐらいはしてくれるかもしれませんが、整備は受け付けてくれないことが多く、専門店すらもしっかりとやってくれるか難しいところです。旧車の価格が高騰していることもあり、修理工場で手を加えることに躊躇し拒否されることもあります。受けてもらったとしても納得いく修理に至らなかったという事例もあるようですから修理工場は腕の良い信頼のおけるところを探すしかありません。
故障もしやすく、価格も維持も経済的とは言えない旧車ですが、それでも所有したい人は数知れず、車は乗るだけのものではない、夢とロマンを求めるもの。知り合いのカーマニアの言葉を思い出しますが、こうしたカーマニアの車への思いが現在の急騰価格に繋がっているのでしょうね。
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