会社から支給される給料は、ほぼ銀行口座への振込となっている今の世の中ですが、振込だと明細見るだけでお金を稼いだ実感がいまいち湧きにくいですよね?私が昔、新卒で入った会社の話ですが、会社の意向で初任給だけ現金支給でした。所長室に呼ばれて所長の前に新入社員が横一列に並んで順番に現金の入った給与袋を受取ります。その中には一万円札12枚いう大金が!それを手にして感激した記憶を思い起こします。この感激は振込では味わえませんね。

 

 

とは言え、現金支給となると落としたり盗まれたりするリスクがあるからそれ考えたら怖いですよね。ところで現金支給に関するこんな記事を見つけましたのでご紹介します。

 

 

人気タレントの山田邦子が全盛期に紙袋にぎっしり詰め込んだ札束(一億円)の給料を貰っていたとのエピソードを取り上げた記事が話題になっていましたが、ちょっと記事の詳細も引用してみました。

 

山田邦子「あのころ、振込があったでしょうけどね。なぜか関東のウチの事務所(太田プロ)は手渡しだったのね。デパートの紙袋に入れてドンとくれるわけ。嫌だったわ」

 「そのまま楽屋に置いて本番とか行ってっから。後輩はわかってるから、その日が。『終わってからどっか連れてってください』って。(札束の)上から1枚ずつ払ったりとかそんな感じ」と振り返った。

「月収は1億(円)ぐらい。たけしさんはもっともらってたからね」

 

稼いでる額にも驚かされますが、こんな大金現金で紙袋支給するなんて理解に苦しみます。この紙袋の話はひょうきん族全盛期の1980年代後半から「やまだかつてない」などの看板番組を抱えていた90年代前半位かと思われますが、当時の活躍度からして月収一億円は納得です。一億円の現生はちょっと怖いですが、昔は現金支給は当たり前だったんです。今回はお給料の現金支給について探求していきたいと思います。

 

法律で定められている給与の現金支給

 

 

給与振込が始まったのは、昭和40年代前半頃と言われています。ちょうどこの頃「三億円事件」というのがあって企業の給料分の現金三億円分が盗まれる事件が起きました。それがきっかけで現金支給から振込に切り替える企業が相次ぎました。現金を持ち歩くのは怖い、振込だと安心、ということで世の中の給与システムがガラッと変わることになりました。

 

 

給与の振込手続きをする場合に「振込手数料」というものが発生します。給与振込の手数料は金融機関や振込方法によって異なりますが、三大メガバンク(三菱UFJ、みずほ、三井住友)は一人につき3万円未満で220円、3万円以上だと440円。ゆうちょ銀行は5万円未満で220円、3万円以上で440円となります。地方銀行だと1,000円以上になることもあるようです。

 

 

一人に給与を振込むための費用はそれほど掛かりませんが、お金のありがたみとか価値とかを嚙みしめる意味で現金支給ってありがたいなと思うんですよ。でも現金支給だと強盗とか紛失とかありますから習慣化すると何が起きるか分からないからちょっと不安ですよね。でも給料って基本現金払いでなければならないことはご存じでしたか?労働基準法第24条には賃金支払い5原則についてこう記されています。

 

 

このように給与は原則現金払いと法律上で定められています。しかし現在は振込の会社が大半を占めていますが、労基には使用者と労働者間での合意があった場合にはその他の支払方を例外として認めると記されています。今労働者の殆どが振込支給を選んでいるのはあくまで例外的な措置だったということなんですね。

 

現金支給があった頃のエピソード

 

 

現金支給は私も経験ありますが、お金のありがたみというか仕事の対価として厚みのある給料袋は現金支給しか味わえないものです。ではここで現金支給が当たり前だった頃の昭和時代の給料日エピソードをいくつかご紹介いたします。

 

① 毎月準備がめちゃ大変!封筒に現金を入れるのに手が真っ黒になる

会社の給料日になると会社の経理係は最も過酷な一日を迎えます。経理係総出で社員の給料を準備します。銀行から大量の現金を引き出し社員ごとに封筒に分けて準備します。封筒に入れる作業は手作業で行われ、指が真っ黒になるほど大変だったそうです。現金支給は、会社側にとっても経理担当にとっても手間がかかるものでした。大量の現金の管理と犯罪のリスクもあるので、細心の注意を払って取り扱わなければなりません。経理の人も当然給料を貰えるのですが、その喜びと裏腹にシンドイ思いをするので不安の方が大きかったでしょうね。

 

② 父親の威厳が発揮される日

今の比べて父親の威厳が凄く高かった昭和時代、自宅に現金の入った分厚い封筒を持って帰ってくるとお母さんは玄関で三つ指ついて深々と頭を下げお父さんをお出迎え。お母さんがお父さんから給料袋を受け取ると「今月もお疲れ様でした」と優しく労いの言葉をかけます。食事はいつもより豪勢で、すき焼き、ビフテキ、お寿司、子供たちはいつもより豪華な食事にありつけることで父親に感謝します。父の威厳の象徴であるシーン、昔の日本では当たり前でした。 

 

➂ 一日でスッカラカンになる人

多額の現金が手元にはいるのでついつい気が大きくなって。その日は多めに現金を使ってしまう人が多かったのです。あるいは豪遊してその日にスッカラカンにしてしまう人も多かったそうです。一月分のやりくりもまったく考えない人も結構いたのです。

 

④ 給料日に会社の周りに借金取り

そして会社の周りには借金取りが!給料日だと知ってる取り立て屋に尾行され使う前に身ぐるみ剥されすっからかんに、漫画のような出来事も珍しくなかったとか、良く言えば、そうした豪傑者がたくさんいたことでしっかり経済が回っていたということです。

 

⑤ 給料袋が垂直に立った

お札をぎっしり詰めて手渡される給料袋、100万円の札束で約1センチの厚みがあるのでそれが3つくらいあれば余裕で立ちます。しかし300万円なんて給料貰えるもんなのか?ですが、世の中広いもので札束がいくつも入った給料袋を手にしている人もいました。金融関係の営業職は給料とは別に募集手当が基本給の数倍貰っていたので給料はまっすぐに立つくらいだったそうです。羨ましいし自慢したくなりますね。

現金支給の現状

 

 

令和の今の時代は現金支給は防犯上の観点から衰退の一途を辿っていて、振込がほぼ主流になっていますが、一部では給与を電子マネー化してPay Payなどの個人のアカウント口座に直接送金する「デジタル払い」という支給方法も登場しています。

 

 

給与の支給方法は多様化していますが、現在、日本で給与を現金支給している企業の割合は約10.8%とされています。特に中国・四国地方では20%、九州・沖縄地方では16.7%と21世紀でも現金支給のところが意外と多いんですね。

 

 

現金支給をしている会社の概要を見ると、家族経営レベルの小規模経営の会社が多いようですが、これは手数料予算削減と人数が少ないことで給与支給の手間がそれほどかからないことがあります。実は私の実家で経営している卸売業も現金支給です。家族経営なので却って現金で払ったおいた方が都合が良いということでした。

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現金支給のメリット・デメリット色々ありますが、法律では原則現金であること、そして遥か昔から明治・大正・昭和・平成、そして令和の時代を経て現金支給が継続されていることはやはり主流の給与支給法であることに違いはないと思います。労働の価値を感じ取ることができる現金支給、続けているところは是非とも続けて貰いたいなと思います。

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投稿者

yuuponshow

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