突然ですが、ブログ主である私の出身高校は鹿児島商業高校です。通称 鹿商(かしょう)と呼ばれる創立130年を誇る伝統のある高校です。鹿商はこれまで全国で唯一の商業高校の男子校という特殊な学校でしたが、その鹿商に今年度から女子生徒が入ることになり、大いに話題となりました。
男だけの硬派な体育祭だったのに、様変わりしたね😅
— お金のストーリー (@okanestory) October 1, 2024
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入学式や体育祭の様子を見ると、随分華やかで楽しそうで正直羨ましいなという感じです。何せ私の頃の時代は、詰襟学ランで全校生徒丸坊主でしたし、怖い先生も大勢いて校則はどこよりも厳しかったし、体育祭もクラス別対抗で対決姿勢剥き出しの真剣勝負のような競技ばかり。楽しい青春なんてありませんでしたから。
鹿商は野球部が甲子園で活躍するなどスポーツが盛んで離島を含む鹿児島県内から有望な選手が集まる名門校でしたが、ここ最近では少子化の影響もあり、野球部も甲子園から遠ざかり、他の運動部も以前のような活躍が見られなくなりました。しかしそれよりも深刻なのは高校の定員が募集人数に対して半分しか集まらなくなってしまったことです。このままでは生徒が集まらなくなり廃校となってしまう・・そんな危機的状況を打破するために学校側から鹿児島市に共学化の話を持ち掛けたところ、トントン拍子で進み、学科もカタカナ表記のビジネス専門学科とスポーツアスリート育成の体育科を設置し、募集人員に対して久々に1倍を超える生徒が受験することとなり、共学化は大成功となりました。
ところで鹿商の共学化の話が持ち上がった時に、近隣の同じ鹿児島市立校である鹿児島女子高校との統合合併話が出ましたが、女子高側はそれに反対し、鹿商のみで進めた共学化となりました。近年では鹿商と同様、募集定員割れに陥っている鹿女子高なので統合した方が良かったと思うのですが、改革を進めた鹿商と改革できなかった鹿女子、実は鹿商と鹿女子高ってかつては統合していた時期があったのです。終戦直後の1950年代の6年間、新制高校の編成の課程で一時的に合併され共学となっています。そうした縁のある両校について語っていきたいと思います。。
定員割れ高校の運営危機
少子化の影響で募集定員に達しない学校が後を絶ちません。ニュースで話題になりましたが、私立大学の6割が募集定員割れを起こしている現実もあるように、入学者の減少傾向は深刻な問題です。公立学校も同じで、定員割れの学校に対して厳しい措置を断行している自治体もあるようです。
大阪府の公立高校は3年連続定員割れすると統合か廃校となる全国的に最もシビアなルールとなっていて、この制度によって近年で17校が廃校になっています。全国で見ても公立高校の43%(約1400校)が定員割れとなっており、都心部を除く自治体は財政面で厳しく、今後、廃校・統合が全国規模で増加することになると思われます。対策としてはブランド戦略を明確化し、興味を引く目新しい学科を新設したり、男女別学校は共学にしたりと生徒の興味を引く改革を進めることが大事です。
話を鹿商高と鹿女子高に戻しますが、この2校は同じ鹿児島市立高校です。市立高校は他に共学校の鹿児島玉龍高校があります。玉龍高校は20年前から中高一貫校となり、中学から6年一貫で学習できるメリットがあり大学受験のためのカリキュラムを立てやすいことから中学受験生の人気も高く、県内の募集人員に対して約2倍以上の高倍率となります。
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進学校の玉龍高校に対して、就職する生徒の多い商業系の学科編成を組んでいる鹿商・鹿女子と棲み分けされていました。ところが近年では大学進学率が上がったことから両校とも受験者数が一倍を割り込むようになり、ここ数年で大幅な定員割れに陥ることになりました。
鹿商と鹿女子はなぜ統合できなかったのか?
今年度改革を一気に進めた鹿商は、共学化と同時にそれまでの商業科を中心とした漢字表記の学科を廃止してカタカナ表記の学科を新設、制服も学ランから今時のブレザーにモデルチェンジすることになり、これらのブランド戦略が功を奏し成功したのです。
対して鹿女子は特に改革もなく、改革を行った鹿商と差がついてしまい、志願者数や受験倍率にも大きな差がついてしまうことになりました。
2024年度鹿児島県公立高校出願者が発表されましたが、今年から共学化&カタカナ学科の新設&制服リニューアルで県内最高レベルの倍率となった鹿児島商高とは対照的に同じ市立校の鹿児島女子高は改革の遅れが祟って倍率が過去最低となる結果に、同じ市立高校なのに差別化しすぎだろ ( ;´Д`) pic.twitter.com/8X40kYtALu
— お金のストーリー (@okanestory) February 17, 2024
実は鹿商と鹿女子は水面下で戦後直後の6年間だけ実現した70年ぶりの合併の話を進めていたのですが、鹿女子高関係者から猛反対に遭い敢え無く断念しました。変化を嫌う伝統校らしいエピソードですが、変化を望んだ鹿商が成功した現状を鑑みると、かなり差がついてしまったかのように思います。
共学化をせず独自路線で改革する鹿女子高
子どもの多い時代だと、それでも良いのでしょうが、今や少子化がかなり進み鹿児島県内の公立高校は68校中58校が定員割れという現実。同じ公立の鹿児島市立である鹿児島商業と合併共学化という選択をせず鹿女子高校は独自の改革で生徒を集めなければなりません。その鹿女子が来年度から大変革とも言うべき学科再編を発表しました。
商業科と家政科からカタカナ表記の学科名の変更は鹿商と同じだけど共学化はせず、果たして生徒は集まるのでしょうか😓
— お金のストーリー (@okanestory) October 1, 2024
鹿児島女子高 来春から3学科→5学科に再編 推薦枠も52人増180人へ 定員割れ解消に期待 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞 | 373る
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商業科の2学科(商業、情報会計)をビジネスデザイン、難関大進学などを目指すファイナンシャルビジネス、スポーツアスリートを養成するスポーツビジネスの3学科に。
家庭科1学科(生活科学)はファッション・フードクリエイト、ライフ・スポーツの2学科。去年の鹿商と同様、商業科など漢字学科を廃止してカタカナ表記の新設学科を設置することになりました。
恐らく制服もリニューアルするでしょうから、新しい制服も楽しみではありますが、同じ市立校で既に改革を進めてきた同じ商業系の、偏差値もほぼ同じで共学化した鹿児島商業高校があります。受験する女子生徒としてはどちらが魅力に映るのか?ただでさえ少子化の影響で県内の高校の募集定員割れが著しいので、生徒の争奪戦になることは避けられそうもありません。共学化せず独自路線で県内の生徒にアピールする鹿児島女子高校の今後に注目です。
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